どうもこんにちは!ツリーバ編集長のヒビヤです。

さて、GWの釣りはみなさん如何でしたでしょうか?天気が大荒れの地域もありましたので思うような釣りができなかった人、例年より温暖な気候でイイ思いをした人、みなさん苦労しながらもリフレッシュできたのではないでしょうか。

ワタシはと言うと、5月に釣行するのは実に5年ぶりとなる檜枝岐村でのキャンプ釣行をしてきたのだ。

ここ数年のGWの過ごし方は、子どもが産まれてからと言うもの、豪雪地帯である檜枝岐村釣行は避け、新潟県でのサーフ青物釣りキャンプを楽しんでいたのだが、今回は強風に雨と言う悪天候の予報が出ていた。しかし檜枝岐村は積雪が無く天気も良さそうと言う事で出発当日になって行き先を檜枝岐村へと変更する事にしたのだ。

もっと事前に天気ぐらい調べておけよと言う感じではあるが、浮かれてすっかり天気の事を忘れていた。去年のイメージがよすぎたためであろう。

このような機転もキャンプが故である。

そもそも何故に檜枝岐村にコダワるのかと言う話しをすると少々長くなるのだが、10代の終わりだっただろうか、オフロードバイクで悪友とダート林道のみを走破して栃木県から福島県へ入ろうと画策し、そのゴールが檜枝岐村であり、我々にとって苦難を乗り越えた先にある未来の明るい光そのものであったのだ。

今は舗装区間も増え乗用車でもある程度のところまでは行けるようになったが、当時は中禅寺湖の少し上、山王林道からダートとなり、所々舗装路を通りつつダート総距離30〜40キロメートル以上に及ぶものであったように記憶している。もしかしたらもっと長いのかもしれない。

ツーリングマップルを頼りに栃木県と福島県を結ぶ川俣檜枝岐林道へはすんなりと辿り着けたのだが、ここから先が問題で途中崖崩れが発生しており、道を間違えたのではないかと右往左往するも結局抜ける事ができず、翌々日に再度アタックするも、やはり抜けられず、その後も今年こそは、今年こそはと毎年のようにアタックするものの、やはり崖崩れに阻まれどうしてもクリアできないでいた。

檜枝岐村中心から少し離れた場所へと抜ける安ヶ森林道と言う15キロメートル程度の林道が湯西川にあるのだが、こちらも崖崩れで通れなかった。

もちろん、国道を使い山々を大きく迂回するような形で行けば行けるのであるが、その距離80〜100キロメートル。この林道を抜ければたったの20〜25キロメートルなのにだ。ダート林道で行くことこそに目的を持っている我々にとって100キロメートルも舗装路を走ることへの魅力は微塵も感じなかった。

これだけ我々の檜枝岐入りを拒む理由は何なのか。我々はなぜ檜枝岐村へ入れないのか。拒まられれば拒まられるほどに檜枝岐村への興味が強くなる。2000m級の山々に囲まれた秘境の村。そこにナニがあるのか。行って見たい。頭の中が檜枝岐村でいっぱいになった。

それから少し時は経ち、バイクはCRMからFTRとなりアタックするがやはり通れず。

しばらくしてバイクがXR250BAJAとなったある日。インターネットで林道の状況を入手できる時代となり調べて見ると、崖崩れはあるものの乗り越えられると言う情報を得て、まだ結婚前であった現在の妻と再びアタック。崖崩れの斜面を乗り越えようとしたときに固い木の枝がタイヤに刺さってしまった。現地でチューブを引っ張り出してパッチを貼っても塞ぎ切れないほどのパンクをしてしまったのだ。

空気を入れ入れ湯西川のキャンプ場へとなんとか入り、東京のバイク屋へ連絡を入れ事の次第を話すとヘビーチューブをこちらへ発送してくれると言う事になり、翌日の昼前にはキャンプ場にチューブが届いたのには驚いた。

林道に拒まれ続けいつしか林道での到達は諦め国道を走り片道5時間かけて入村していたのだが、諦められない、やはりなんとしてでもオートバイでダート林道を抜けて檜枝岐村へ到達したいと言う思いが日に日に募り、崖崩れ情報を調べ、懲りもせずに再びアタックする事にした。

道が見えぬ何者かの力によってまた塞がれているのではないかと少々の不安を抱えつつも順調にダートを走り、ピークにある帝釈山登山口も無事に越え、舟岐川沿いに林道を下り、無事に公共温泉「燧の湯」の脇へと出る事ができた。

苦節12年。この間、タイミング良く崖崩れが撤去されている時に抜けられた者もいたのであろう。

妻とふたり、バイク2台、走りながら両腕を高く上げWGPライダーよろしくガッツポーズ。ようやくバイクでダート林道を抜けて檜枝岐村へ入る事ができたのだ。疲労感と達成感に包まれながら食べる裁ち蕎麦はいつもより美味く感じた。

そしてこの地にはモトクロス以外、ワタシのアクティビティを全て満足させてくれるフィールドが揃っている。

登山、沢登り、釣り、山菜採り、キノコ採り、温泉、ダート林道、星空、直火の焚き火、果てしない事を考える時間、などなど。

檜枝岐ではどれも簡単に済ませようと思えばいくらでも簡単に済ます事ができる。

例えば尾瀬へ行かずとも村にはミニ尾瀬公園がある。源流へ行かずとも放流魚であれば魚はどこでも釣れる。舞茸の養殖場もある。気軽に登山をしようと思えば片道3時間程度の古い山道もある。

しかし、それで済ませてはつまらない。せっかくこの地を訪れる機会があり、何でもできる健康な体を持っているのだ。とことん深みにはまって遊び尽くそうじゃないか。と、釣りは勿論のこと、2000m級登山などもやっているうちに自分の父と同じ歳の師匠たちと出会った。

本流メインで釣りをしていたワタシにチョウチン仕掛けの藪沢での釣りを教えてくれたり、2時間以上も登山と沢登りをして辿りつく釣り場へ連れて行ってもらったり、山菜やキノコも教えてもらい、自分でもアチコチ探しては山を越え、滝を越え、釣りをしているうちにどんどんのめり込み、もはやワタシにとって本業の釣りとなってしまったのだ。

檜枝岐の自然の中で過ごしているうちに、あることに気が付いた。

釣りは思い出の再現であり、シチュエーションは自分で作るものだと言う事。

いつか釣れた魚、引きの強さ、環境や状況、これらを再現したい欲求。天然もの良型の魚を登山と遡上した先の誰もいない山奥の沢でかけたいと言うシチュエーションへのコダワリである。

オートバイでダート林道を抜けようと挑戦した思い出や国道を使わないシチュエーションへのコダワリも然り。

簡単に済ませようとすれば済ませられるのに、わざわざ難しくするコダワリ。

思い出の再現がプラモデルなら、自分で作るシチュエーションとは既成概念や枠に囚われない木工のようなもの。

ワタシにとって、それができるのが檜枝岐なのだ。

次回は釣行レポートをお届けしよう。

それでは今日も、コダワリを大切に、No Tsuri-ba! No Life!

https://tsuri-ba.net/wp-content/uploads/2016/05/206ecb1105e188d77dd853ff2ca49fba.pnghttps://tsuri-ba.net/wp-content/uploads/2016/05/206ecb1105e188d77dd853ff2ca49fba-150x150.pngtsuri-ba渓流・源流の釣りイワナ,トラウト,渓流,源流どうもこんにちは!ツリーバ編集長のヒビヤです。 さて、GWの釣りはみなさん如何でしたでしょうか?天気が大荒れの地域もありましたので思うような釣りができなかった人、例年より温暖な気候でイイ思いをした人、みなさん苦労しながらもリフレッシュできたのではないでしょうか。 ワタシはと言うと、5月に釣行するのは実に5年ぶりとなる檜枝岐村でのキャンプ釣行をしてきたのだ。 ここ数年のGWの過ごし方は、子どもが産まれてからと言うもの、豪雪地帯である檜枝岐村釣行は避け、新潟県でのサーフ青物釣りキャンプを楽しんでいたのだが、今回は強風に雨と言う悪天候の予報が出ていた。しかし檜枝岐村は積雪が無く天気も良さそうと言う事で出発当日になって行き先を檜枝岐村へと変更する事にしたのだ。 もっと事前に天気ぐらい調べておけよと言う感じではあるが、浮かれてすっかり天気の事を忘れていた。去年のイメージがよすぎたためであろう。 このような機転もキャンプが故である。 そもそも何故に檜枝岐村にコダワるのかと言う話しをすると少々長くなるのだが、10代の終わりだっただろうか、オフロードバイクで悪友とダート林道のみを走破して栃木県から福島県へ入ろうと画策し、そのゴールが檜枝岐村であり、我々にとって苦難を乗り越えた先にある未来の明るい光そのものであったのだ。 今は舗装区間も増え乗用車でもある程度のところまでは行けるようになったが、当時は中禅寺湖の少し上、山王林道からダートとなり、所々舗装路を通りつつダート総距離30〜40キロメートル以上に及ぶものであったように記憶している。もしかしたらもっと長いのかもしれない。 ツーリングマップルを頼りに栃木県と福島県を結ぶ川俣檜枝岐林道へはすんなりと辿り着けたのだが、ここから先が問題で途中崖崩れが発生しており、道を間違えたのではないかと右往左往するも結局抜ける事ができず、翌々日に再度アタックするも、やはり抜けられず、その後も今年こそは、今年こそはと毎年のようにアタックするものの、やはり崖崩れに阻まれどうしてもクリアできないでいた。 檜枝岐村中心から少し離れた場所へと抜ける安ヶ森林道と言う15キロメートル程度の林道が湯西川にあるのだが、こちらも崖崩れで通れなかった。 もちろん、国道を使い山々を大きく迂回するような形で行けば行けるのであるが、その距離80〜100キロメートル。この林道を抜ければたったの20〜25キロメートルなのにだ。ダート林道で行くことこそに目的を持っている我々にとって100キロメートルも舗装路を走ることへの魅力は微塵も感じなかった。 これだけ我々の檜枝岐入りを拒む理由は何なのか。我々はなぜ檜枝岐村へ入れないのか。拒まられれば拒まられるほどに檜枝岐村への興味が強くなる。2000m級の山々に囲まれた秘境の村。そこにナニがあるのか。行って見たい。頭の中が檜枝岐村でいっぱいになった。 それから少し時は経ち、バイクはCRMからFTRとなりアタックするがやはり通れず。 しばらくしてバイクがXR250BAJAとなったある日。インターネットで林道の状況を入手できる時代となり調べて見ると、崖崩れはあるものの乗り越えられると言う情報を得て、まだ結婚前であった現在の妻と再びアタック。崖崩れの斜面を乗り越えようとしたときに固い木の枝がタイヤに刺さってしまった。現地でチューブを引っ張り出してパッチを貼っても塞ぎ切れないほどのパンクをしてしまったのだ。 空気を入れ入れ湯西川のキャンプ場へとなんとか入り、東京のバイク屋へ連絡を入れ事の次第を話すとヘビーチューブをこちらへ発送してくれると言う事になり、翌日の昼前にはキャンプ場にチューブが届いたのには驚いた。 林道に拒まれ続けいつしか林道での到達は諦め国道を走り片道5時間かけて入村していたのだが、諦められない、やはりなんとしてでもオートバイでダート林道を抜けて檜枝岐村へ到達したいと言う思いが日に日に募り、崖崩れ情報を調べ、懲りもせずに再びアタックする事にした。 道が見えぬ何者かの力によってまた塞がれているのではないかと少々の不安を抱えつつも順調にダートを走り、ピークにある帝釈山登山口も無事に越え、舟岐川沿いに林道を下り、無事に公共温泉「燧の湯」の脇へと出る事ができた。 苦節12年。この間、タイミング良く崖崩れが撤去されている時に抜けられた者もいたのであろう。 妻とふたり、バイク2台、走りながら両腕を高く上げWGPライダーよろしくガッツポーズ。ようやくバイクでダート林道を抜けて檜枝岐村へ入る事ができたのだ。疲労感と達成感に包まれながら食べる裁ち蕎麦はいつもより美味く感じた。 そしてこの地にはモトクロス以外、ワタシのアクティビティを全て満足させてくれるフィールドが揃っている。 登山、沢登り、釣り、山菜採り、キノコ採り、温泉、ダート林道、星空、直火の焚き火、果てしない事を考える時間、などなど。 檜枝岐ではどれも簡単に済ませようと思えばいくらでも簡単に済ます事ができる。 例えば尾瀬へ行かずとも村にはミニ尾瀬公園がある。源流へ行かずとも放流魚であれば魚はどこでも釣れる。舞茸の養殖場もある。気軽に登山をしようと思えば片道3時間程度の古い山道もある。 しかし、それで済ませてはつまらない。せっかくこの地を訪れる機会があり、何でもできる健康な体を持っているのだ。とことん深みにはまって遊び尽くそうじゃないか。と、釣りは勿論のこと、2000m級登山などもやっているうちに自分の父と同じ歳の師匠たちと出会った。 本流メインで釣りをしていたワタシにチョウチン仕掛けの藪沢での釣りを教えてくれたり、2時間以上も登山と沢登りをして辿りつく釣り場へ連れて行ってもらったり、山菜やキノコも教えてもらい、自分でもアチコチ探しては山を越え、滝を越え、釣りをしているうちにどんどんのめり込み、もはやワタシにとって本業の釣りとなってしまったのだ。 檜枝岐の自然の中で過ごしているうちに、あることに気が付いた。 釣りは思い出の再現であり、シチュエーションは自分で作るものだと言う事。 いつか釣れた魚、引きの強さ、環境や状況、これらを再現したい欲求。天然もの良型の魚を登山と遡上した先の誰もいない山奥の沢でかけたいと言うシチュエーションへのコダワリである。 オートバイでダート林道を抜けようと挑戦した思い出や国道を使わないシチュエーションへのコダワリも然り。 簡単に済ませようとすれば済ませられるのに、わざわざ難しくするコダワリ。 思い出の再現がプラモデルなら、自分で作るシチュエーションとは既成概念や枠に囚われない木工のようなもの。 ワタシにとって、それができるのが檜枝岐なのだ。 次回は釣行レポートをお届けしよう。 それでは今日も、コダワリを大切に、No Tsuri-ba! No Life!手は震え、動悸も止まらない釣りWebフリーマガジン