こんにちわ!ツリーバライターのイシザキです!

今回の事件簿は最近釣行へ行くことの多い浦安で起きた出来事。

現在の浦安はディズニーリゾートのある舞浜、東へ港、高洲、明海、日の出が海岸に面しています。しかし、これらはすべて昭和37年以降の海面埋め立て事業により出来上がった埋立地。浦安の埋め立て前の面積は現在の約4分の1程度でした。

現在から約60年の時を遡り昭和33年、まだ埋め立て事業の始まっていない浦安村にて今回の事件がおきました。

当時は戦後の成長期の時代。経済成長は同時に公害問題を生み出し、全国各地で自然環境の汚染が深刻化しつつある時代。
事件当時のエピソードを少し振り返ると、昭和3345日、現千葉県佐倉市出身の長嶋茂雄が開幕戦で国鉄のエース金田正一に4打席連続三振を喫し、後に語り継がれるデビュー戦を飾ります。浦安村民も千葉の英雄の期待はずれのデビューに落胆したんでしょうが、後に日本野球の伝説になるとは思っていなかったでしょね。

その翌々日の47日、千葉の英雄の話で持ちきり・・・・だったかは分かりませんが、漁師たちはいつも通り漁へと向かいます。すると、


本州製紙工場事件|浦安市公式サイト

海川を染める黒い水・・・

異常事態発生。旧江戸川の水がドス黒く濁っていて、浦安沿岸はもちろん、葛西沖までドス黒い海が広がっていた。魚はいたるところで腹を向け、貝は口を開けて死滅していた。地獄・・・・。

悪水放水絶対反対。

江戸川区東篠崎にある本州製紙江戸川工場が黒い水の出どころであることが判明し、人口の約75%が漁師を生業とする浦安市民は立ち上がります。

その後漁協は工場に排水中止を求めるが、約2ヶ月間にわたり黒い水は流され続けた。浦安の海が黒く染まってから約2ヶ月後の610日、漁民たちの怒りはついに爆発。


〇本州製紙汚水事件ふるさと浦安文化つうしん

当日は約2000人が町民大会に集結。汚染水放流問題で宣言書と決議文を本州製紙側に提出するためです。満場一致で大会は終了し国会や都庁へ陳情へ向かった帰りに、約800名の漁協関係者はバスを連ねて工場へと向かいます。午後6時頃、工場前に到着すると・・・

無断立ち入り禁止。

守衛が左右に立て札を振って侵入を拒んでいる。工場側は事前に漁民たちが押しかけるとの情報を得ていたようで、黒煙をモクモクと上げながらも正門は鉄扉で固く閉ざされている。

「俺たちを殺すのか!生きる道を保証しろ!」

工場側の対応に漁民達はプッツン。扉を押し破り、工場内になだれ込み、工場関係者とのもみ合いに発展します。さらに、工場側の要請により機動隊218名が配備されており、漁民vs警察の構図を形成。その後増員により、約600名の機動隊と装甲車2台が出動したそうです。闘争とにらみ合いを繰り返し、午前1時に翌朝に再び話し合うことで決着。その場は収まりました。

漁協関係者側の重軽傷者108名、警察機動隊からも36名の負傷者。その後、国・東京都・千葉県が動いて工場側の操業停止が決定しました。難しいことはよくわかりませんが、黒い水は実際に魚介類を窒息させる作用があったらしく、魚介類の死滅との因果関係はあると結論付けられたみたいですね。この事件を契機として、工場廃水による水質汚染への問題意識が高まり、旧水質二法制定や江戸川下流域再生事業開始へとつなが李ました。

現代で我々が浦安の海で魚釣りができるのも、彼らが命をかけて海を守ったおかげですね!

浦安の先人達、あざす。

No Tsuri-ba! No Life!

https://tsuri-ba.net/wp-content/uploads/2017/10/251660303fd5b1488b696ae3d6a30c29.gifhttps://tsuri-ba.net/wp-content/uploads/2017/10/251660303fd5b1488b696ae3d6a30c29-150x150.gifいしぽよ釣りTALK事件簿,浦安市こんにちわ!ツリーバライターのイシザキです! 今回の事件簿は最近釣行へ行くことの多い浦安で起きた出来事。 現在の浦安はディズニーリゾートのある舞浜、東へ港、高洲、明海、日の出が海岸に面しています。しかし、これらはすべて昭和37年以降の海面埋め立て事業により出来上がった埋立地。浦安の埋め立て前の面積は現在の約4分の1程度でした。 現在から約60年の時を遡り昭和33年、まだ埋め立て事業の始まっていない浦安村にて今回の事件がおきました。 当時は戦後の成長期の時代。経済成長は同時に公害問題を生み出し、全国各地で自然環境の汚染が深刻化しつつある時代。 事件当時のエピソードを少し振り返ると、昭和33年4月5日、現千葉県佐倉市出身の長嶋茂雄が開幕戦で国鉄のエース金田正一に4打席連続三振を喫し、後に語り継がれるデビュー戦を飾ります。浦安村民も千葉の英雄の期待はずれのデビューに落胆したんでしょうが、後に日本野球の伝説になるとは思っていなかったでしょね。 その翌々日の4月7日、千葉の英雄の話で持ちきり・・・・だったかは分かりませんが、漁師たちはいつも通り漁へと向かいます。すると、 本州製紙工場事件|浦安市公式サイト 海川を染める黒い水・・・ 異常事態発生。旧江戸川の水がドス黒く濁っていて、浦安沿岸はもちろん、葛西沖までドス黒い海が広がっていた。魚はいたるところで腹を向け、貝は口を開けて死滅していた。地獄・・・・。 悪水放水絶対反対。 江戸川区東篠崎にある本州製紙江戸川工場が黒い水の出どころであることが判明し、人口の約75%が漁師を生業とする浦安市民は立ち上がります。 その後漁協は工場に排水中止を求めるが、約2ヶ月間にわたり黒い水は流され続けた。浦安の海が黒く染まってから約2ヶ月後の6月10日、漁民たちの怒りはついに爆発。 〇本州製紙汚水事件 - ふるさと浦安文化つうしん 当日は約2000人が町民大会に集結。汚染水放流問題で宣言書と決議文を本州製紙側に提出するためです。満場一致で大会は終了し国会や都庁へ陳情へ向かった帰りに、約800名の漁協関係者はバスを連ねて工場へと向かいます。午後6時頃、工場前に到着すると・・・ 無断立ち入り禁止。 守衛が左右に立て札を振って侵入を拒んでいる。工場側は事前に漁民たちが押しかけるとの情報を得ていたようで、黒煙をモクモクと上げながらも正門は鉄扉で固く閉ざされている。 「俺たちを殺すのか!生きる道を保証しろ!」 工場側の対応に漁民達はプッツン。扉を押し破り、工場内になだれ込み、工場関係者とのもみ合いに発展します。さらに、工場側の要請により機動隊218名が配備されており、漁民vs警察の構図を形成。その後増員により、約600名の機動隊と装甲車2台が出動したそうです。闘争とにらみ合いを繰り返し、午前1時に翌朝に再び話し合うことで決着。その場は収まりました。 漁協関係者側の重軽傷者108名、警察機動隊からも36名の負傷者。その後、国・東京都・千葉県が動いて工場側の操業停止が決定しました。難しいことはよくわかりませんが、黒い水は実際に魚介類を窒息させる作用があったらしく、魚介類の死滅との因果関係はあると結論付けられたみたいですね。この事件を契機として、工場廃水による水質汚染への問題意識が高まり、旧水質二法制定や江戸川下流域再生事業開始へとつなが李ました。 現代で我々が浦安の海で魚釣りができるのも、彼らが命をかけて海を守ったおかげですね! 浦安の先人達、あざす。 No Tsuri-ba! No Life!手は震え、動悸も止まらない釣りWebフリーマガジン