どうもこんにちは!ツリーバ編集長のヒビヤです。

さて、みなさん夏休みの釣りは楽しめただろうか。日頃はなかなかできない釣りで楽しめた方、過去最高に楽しい釣りができた方、大物かけたのに悔しい思いをした方、それぞれいい夏の思い出ができたのではないだろうか。

ワタシは毎年と言うか、シーズン中は毎月恒例となっている檜枝岐での沢釣りを8月のお盆休みにも楽しんできた。ただ、今回は例年より短めの夏休みでお盆ど真ん中に行ったと言う事もあり、日頃は閑散とした村、キャンプ場も満員御礼状態であった。賑やかなのはどこかワクワクした気分にもなるのだが、こと釣りとなるとやはり人がまばらなタイミングで行きたいものだ。

それでも天然ヒレピンイワナの釣りが楽しめるのだからやはり交通の便が悪いこの地域は源流釣りの聖地である。

6月7月と檜枝岐釣行が中止になり、山向こうのあまり入った事のない只見川本流で大物イワナを釣ると言う新たな楽しみをまだ体験できずにいたので、今回はこれを目標に釣りを展開する予定だ。

10日の20時過ぎに自宅を出発、途中の道の駅で車中泊をし、七入オートキャンプ場へ入ったのが翌11日の7時頃だった。もっと早く到着したかったのだが、夜中に子が大暴れで眠れず少々再出発が遅くなってしまった。それでも仮眠なしでこの時間にキャンプ場へ入ろうと思えば2時には自宅を出ねばならぬわけで、大人だけならまだしも子がいる事を考えれば上出来である。

オートキャンプ場と名はつくものの、所謂至れり尽くせりのオートキャンプ場とは違い区画や電源は無くフリースペースで水道とトイレがあるだけのキャンプ場だ。用品のレンタルなどもないので薪以外は全て自前で準備する必要がある。ただし、手慣れたキャンパーにはとても快適で直火での火遊びができるのが魅力的だ。

真夏でも朝晩はもの凄く寒く、20度を切るのでフリースなどは必ず持って行ってほしい。それと今現在はSoftBank系は繋がらないので連絡を取る必要がある方は注意が必要だ。ワタシは檜枝岐にいる時は音信不通になりたいため好都合である。

オープンスペースに5人用テント、それなりのサイズのタープを一人で張り、一通り夜も過ごせる準備が整ったところで朝食を食べ、挨拶代わりにちょっとだけいつもの沢へと入る。

DSC_1016

山道をオートバイで走り車止めにデポする。堰堤を高巻いていると本流スタイルのおじさんが堰堤下のプールで竿を出しているのが見えた。さらにその上を見るともう一人本流スタイルのオジサンが竿を出している。

恐らく渇水状態の本流で全然釣れなくて二人で沢に来たのではないだろうか。ならばこれより先へ遡行はしないのではないかとも思いつつ熊のように藪の中から様子を見ていると全く移動する気配がない。沢の釣り師であればルアーマンも驚くほど早いテンポで登って行くものであるが。

埒があかず見えなくなるまで上流へと藪漕ぎして入渓。あの粘り具合からすると遡行はしないと思われるが、したとしても追いつかれる事はないだろう。装備がとても渓を歩くもののようには見えない。

あまり時間をかけたくないのでテンポよく遡行しながらスプーンを投げて行くと、活性は高くはないがそれなりに沢の天然良型イワナが顔を見せてくれる。

開始からすぐに食べる分の良型二匹がキープでき、ポツポツと追加しながら遡行していく。良型が潜んでいるポイントでルアーを投げ始めた頃に後ろから沢登りパーティーがやってきた。こちらも沢登りしながら釣りをしているのだから追い越すなら一言欲しいところだが、挨拶はおろか無言である。山や沢を愛する者同士、簡単なコミュニケーションぐらいはとりたいものだ。

そのパーティーはと言うと案の定、ワタシの目の前にある落ち込みなどにバシャバシャと入りながら遡行していった。ただでさえスレているイワナ、それっきり彼らが通った後に出る事はなかった。念のため滝ツボにルアーを通すがアタリが一度あったきりである。

ハーネスやザイル、シュリンゲにヘルメットなど装備はしっかりしていたが不慣れなのか、すぐ彼らに追いついてしまうのでそれ以上遡行するのはやめ、本流スタイルの釣り師がいたポイントまで下ってくるとまだやっている。本流だってそんな釣り方はしないだろうに、なぜ小さな沢で粘っているのかは不明だがよっぽど本命のポイントで釣れなかったのか。

近づきすぎないよう岩に腰掛けて装備やタックルを全てバックパックにしまい、高巻きの準備をしているとおじさんも上がるようだ。イワナから丸見え警戒される事間違いなしの堰堤のハシゴを使って上がってくるところを見ると、やはり不慣れな沢に来たようである。

ちょっとした高巻きと藪漕ぎをして最短ルートで下ろうかと思ったが、もう一人のおじさんが沢の下流に入っているので、トラバースして更に下流の登山道を経てオートバイのデポポイントへと出る。オートバイに跨りテン場へと戻るとさっそくイワナを捌き夜の楽しみである焚き火の準備に取りかかる。

後は火を起こせば良いところまで済ませて車で温泉に向かったのだが、かなりの混雑が予想されあまりにも混雑しているようであれば、今日は入らずに明日早い時間に入ろうと様子を見ると予想通りかなりの混雑である。温泉は明日へと延期し、暗くなる前に火を起こし早速ビールで遊び疲れた体をクールダウンする。

最高にうまい。

山と沢遊びの後の火遊びとビールは最高だ。東京では絶対にできない贅沢な遊びである。

夕刻迫る頃にこのテン場から三々五々散り散りに各々のポイントへと出かけていた釣り師たちが戻ってくる。

奥の林間サイトはキャンパーたちがすし詰め状態、かなり賑やかな事になっているようであるが、東京の人混みや雑踏、しがらみから逃げるようにこの地を訪れるワタシは誰もいない手前のオープンサイトで静かに焚き火と星空、影になった山々を見ながら果てしない事を考えつつ酒を飲むのだ。

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翌日は山を越え、只見川本流での大物狙い。楽しみである。

続く。

それでは今日も、No Tsuri-ba! No Life!

https://tsuri-ba.net/wp-content/uploads/2016/08/DSC_1016.jpghttps://tsuri-ba.net/wp-content/uploads/2016/08/DSC_1016-150x150.jpgtsuri-ba渓流・源流の釣りイワナ,只見川,檜枝岐村,源流どうもこんにちは!ツリーバ編集長のヒビヤです。 さて、みなさん夏休みの釣りは楽しめただろうか。日頃はなかなかできない釣りで楽しめた方、過去最高に楽しい釣りができた方、大物かけたのに悔しい思いをした方、それぞれいい夏の思い出ができたのではないだろうか。 ワタシは毎年と言うか、シーズン中は毎月恒例となっている檜枝岐での沢釣りを8月のお盆休みにも楽しんできた。ただ、今回は例年より短めの夏休みでお盆ど真ん中に行ったと言う事もあり、日頃は閑散とした村、キャンプ場も満員御礼状態であった。賑やかなのはどこかワクワクした気分にもなるのだが、こと釣りとなるとやはり人がまばらなタイミングで行きたいものだ。 それでも天然ヒレピンイワナの釣りが楽しめるのだからやはり交通の便が悪いこの地域は源流釣りの聖地である。 6月7月と檜枝岐釣行が中止になり、山向こうのあまり入った事のない只見川本流で大物イワナを釣ると言う新たな楽しみをまだ体験できずにいたので、今回はこれを目標に釣りを展開する予定だ。 10日の20時過ぎに自宅を出発、途中の道の駅で車中泊をし、七入オートキャンプ場へ入ったのが翌11日の7時頃だった。もっと早く到着したかったのだが、夜中に子が大暴れで眠れず少々再出発が遅くなってしまった。それでも仮眠なしでこの時間にキャンプ場へ入ろうと思えば2時には自宅を出ねばならぬわけで、大人だけならまだしも子がいる事を考えれば上出来である。 オートキャンプ場と名はつくものの、所謂至れり尽くせりのオートキャンプ場とは違い区画や電源は無くフリースペースで水道とトイレがあるだけのキャンプ場だ。用品のレンタルなどもないので薪以外は全て自前で準備する必要がある。ただし、手慣れたキャンパーにはとても快適で直火での火遊びができるのが魅力的だ。 真夏でも朝晩はもの凄く寒く、20度を切るのでフリースなどは必ず持って行ってほしい。それと今現在はSoftBank系は繋がらないので連絡を取る必要がある方は注意が必要だ。ワタシは檜枝岐にいる時は音信不通になりたいため好都合である。 オープンスペースに5人用テント、それなりのサイズのタープを一人で張り、一通り夜も過ごせる準備が整ったところで朝食を食べ、挨拶代わりにちょっとだけいつもの沢へと入る。 山道をオートバイで走り車止めにデポする。堰堤を高巻いていると本流スタイルのおじさんが堰堤下のプールで竿を出しているのが見えた。さらにその上を見るともう一人本流スタイルのオジサンが竿を出している。 恐らく渇水状態の本流で全然釣れなくて二人で沢に来たのではないだろうか。ならばこれより先へ遡行はしないのではないかとも思いつつ熊のように藪の中から様子を見ていると全く移動する気配がない。沢の釣り師であればルアーマンも驚くほど早いテンポで登って行くものであるが。 埒があかず見えなくなるまで上流へと藪漕ぎして入渓。あの粘り具合からすると遡行はしないと思われるが、したとしても追いつかれる事はないだろう。装備がとても渓を歩くもののようには見えない。 あまり時間をかけたくないのでテンポよく遡行しながらスプーンを投げて行くと、活性は高くはないがそれなりに沢の天然良型イワナが顔を見せてくれる。 開始からすぐに食べる分の良型二匹がキープでき、ポツポツと追加しながら遡行していく。良型が潜んでいるポイントでルアーを投げ始めた頃に後ろから沢登りパーティーがやってきた。こちらも沢登りしながら釣りをしているのだから追い越すなら一言欲しいところだが、挨拶はおろか無言である。山や沢を愛する者同士、簡単なコミュニケーションぐらいはとりたいものだ。 そのパーティーはと言うと案の定、ワタシの目の前にある落ち込みなどにバシャバシャと入りながら遡行していった。ただでさえスレているイワナ、それっきり彼らが通った後に出る事はなかった。念のため滝ツボにルアーを通すがアタリが一度あったきりである。 ハーネスやザイル、シュリンゲにヘルメットなど装備はしっかりしていたが不慣れなのか、すぐ彼らに追いついてしまうのでそれ以上遡行するのはやめ、本流スタイルの釣り師がいたポイントまで下ってくるとまだやっている。本流だってそんな釣り方はしないだろうに、なぜ小さな沢で粘っているのかは不明だがよっぽど本命のポイントで釣れなかったのか。 近づきすぎないよう岩に腰掛けて装備やタックルを全てバックパックにしまい、高巻きの準備をしているとおじさんも上がるようだ。イワナから丸見え警戒される事間違いなしの堰堤のハシゴを使って上がってくるところを見ると、やはり不慣れな沢に来たようである。 ちょっとした高巻きと藪漕ぎをして最短ルートで下ろうかと思ったが、もう一人のおじさんが沢の下流に入っているので、トラバースして更に下流の登山道を経てオートバイのデポポイントへと出る。オートバイに跨りテン場へと戻るとさっそくイワナを捌き夜の楽しみである焚き火の準備に取りかかる。 後は火を起こせば良いところまで済ませて車で温泉に向かったのだが、かなりの混雑が予想されあまりにも混雑しているようであれば、今日は入らずに明日早い時間に入ろうと様子を見ると予想通りかなりの混雑である。温泉は明日へと延期し、暗くなる前に火を起こし早速ビールで遊び疲れた体をクールダウンする。 最高にうまい。 山と沢遊びの後の火遊びとビールは最高だ。東京では絶対にできない贅沢な遊びである。 夕刻迫る頃にこのテン場から三々五々散り散りに各々のポイントへと出かけていた釣り師たちが戻ってくる。 奥の林間サイトはキャンパーたちがすし詰め状態、かなり賑やかな事になっているようであるが、東京の人混みや雑踏、しがらみから逃げるようにこの地を訪れるワタシは誰もいない手前のオープンサイトで静かに焚き火と星空、影になった山々を見ながら果てしない事を考えつつ酒を飲むのだ。 翌日は山を越え、只見川本流での大物狙い。楽しみである。 続く。 それでは今日も、No Tsuri-ba! No Life!手は震え、動悸も止まらない釣りWebフリーマガジン