どうもこんにちは!ツリーバ編集長の日比谷です。

今回の檜枝岐釣行キャンプでの釣りは悲しいかなこの日が最後となる3日目は檜枝岐川(実川)の上流部を遡行しようと前日のほろ酔い頭で決めたのだ。

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この檜枝岐村の中心を流れる村のシンボル的な川は大雑把に区分けすると七入から下は放流ものと上流から落ちてきた天然もの、あるいは天然化したイワナが混ざる流域、そこから上は基本的には天然ものが生息するエリアとなる。

魚影は濃く初心者でも4.5メートルの渓流竿があればぶどう虫やイクラを餌に簡単にイワナを釣ることができる。しかしながら林道沿いあるいはキャンプ場沿いで入渓は容易、季節になれば人の気配も多く魚がスレまくっていることがあるため、できる限り上流から入るのが釣果への近道となるのは間違いない。

早起きした子どもがぐずついたりと思わぬトラブルで出発したのが8時近くになってしまったが、昼には戻る約束をしオートバイで舗装されていない濃い緑に囲まれた林道をしばらく走り、支流の沢を利用して渓へと降りる。

倒木や大きな岩の上を足場に、注意しながら下降していく。時折小さな流れに足を入れると水の冷たさが気持ちよく、チャプチャプとした音が心地よく、釣りへの期待感も自然と高まっていく。

沢筋から渓へと降りると渇水状態かつささ濁りである。雨も降っていないのに濁りがあるのはなぜだろうかと独りごちながら遡行を開始すると新しい踏み跡、と言うよりも岩に濡れた足跡が付いておりまだ乾いていない新しい人の気配がある。

すぐ近くに先行者がいるようだ。このあたりはエサ釣り師か、フライマンがほとんどでルアーならまた違った反応をするのではないかと淡い期待を持ちながらバックパックからタックルを引っ張り出し、コータックのスプーンを投げながら遡行していく。

いつもは水量のある大きなトロ場も渡渉できてしまうほど浅く、なかなか魚の付き場を見極めるのが難しい。

話によると相当な期間雨が降っていないそうだ。

奥の淵でルアーをトゥイッチすると寄ってはくるのだがまったく口を使わない。

大きな堰堤まで遡行するがそれまで魚の姿すら見えずあたりもない。

とりあえず堰堤を高巻いて一段上に降り立つとフライマンと餌釣り師が先行しているのが見えた。

止むを得ず一旦上がることにし、心臓が破裂するのではないかと思うほどの強烈な斜面をブッシュにつかまりながら登り、天然バラの棘にやられながら藪漕ぎで一度林道まで出る。

一度戻ってオートバイで林道を上がるか、徒歩で上がるか少し考えたが、林道を歩く方が楽しいと言う理由で徒歩で上がっていくと管理用に使われている道がありそれを伝って渓へと降りる。

水が枯れ、人の頭大の岩がゴロゴロとしている川床の上を歩き藪の切れ目から顔を出すとフライマンと目があった。ワタシは人の気配から逃げる熊のように来た道を戻りさらに上流へと歩みを進めた。

下降するのにちょうどいい沢があるのだが、引き上げるのかこれから入るのかわからない釣り人が、停めた車の脇でガサガサとやっているのでさらに上流の休止した工事現場から再入渓し、踏み跡や足跡を探すと新しいものはないようだ。

高巻きのためにしまったタックルを引っ張り出し遡行を再開する。

ここから先へ入るのは本当に久しぶりだ。

いつ以来だろうか。まだ飼い犬が存命で元気だった頃に釣りに同行させて以来、5、6年ぶりにもなろうか。工事もその頃から休止しているようである。

さっきまでの場所とは違いイワナがよく姿を見せるようになった。手元に伝わるあたりもある。

人の気配のある場所とない場所とではこんなにも違うものなのだ。

流れが2つに割れ、一方は細いながら深さがあり木が覆いかぶさっている。間違いなくここにはいると思いイワナに気づかれぬよう体を低く屈め、大きく広げた手のような枝葉の下にスプーンを送り込む。

何度かやっているうちに枝に引っかかってしまい何をどうしても外れないので、仕方なく流れに近づきルアーを外そうとすると、やってしまったと後悔するよりも早く、黒く大きな影がものすごいスピードで駆けて行った。

尺上イワナだ。

諦めて遡行していくと渓相がぐっと源流のそれになり、滑床が増えてくる。ワタシが最も好きな雰囲気だ。

浅くなった滑床のトロ場で2匹のイワナが顔を見せるが食わせられない。さらに上流の深場でようやく良型のイワナがヒットした。キレイにフッキングしていて外すのがもったいないぐらいだが、ネットに入れてキープする。

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少し大きな淵で背中が青い尺上がルアーを食おうと追ってくるがこれも食わせられない。すぐにスレてしまい反応が薄くなったのをきっかけにスプーンからミノーに変えると今度は2匹で追ってきたが、ダメだ。

これも諦めて少し上がると奥に不気味なほど巨大な堰堤が見えてきた。時間的にもそこが今回の釣行の終点となる。

そこまでに見える釣れそうなポイントはわずか。もちろんやってみなけりゃわからないのだが、しらみ潰しにやっていては明日になってしまう。

有力そうな小さな落ち込みにDコンタクトを打ち込み、軽くトゥイッチしてくるとグッと根掛かりのようなアタリが出た。スイープに合わせてロッドを引くがものすごい力で抵抗する。

水中でもんどりうつ黒とオレンジのニッコウ系の体。

これはでかいぞ。

ロッドが大きく曲がる。

誰もいない渓でひとり興奮しにやけ顏になる。

しっかりとフッキングしているのがわかったので安心してやり取りをしているとイワナが流れに乗り岩と岩の隙間に入り込むと、ルアーが挟まる形でひっかかってしまった。

すると岩の隙間からハリにかかったイワナがぶら下がるように流れに乗って出てきた。

まったくテンションがかけられない。外れるなよ外れるなよ、との願いもむなしくイワナは軽々といとも簡単にハリを外し逃げて行った。

さすが、檜枝岐の尺上イワナだ。完全にワタシの負けである。

夜は仕留めたイワナを備長炭でじっくりと塩焼きにし、焚き火を見ながらこの最後の出来事を回想していると、来月もう一度入ってみようかと言う誘惑に襲われる。しかし只見川上流で大イワナを釣ると決めたのだから、それはダメだとひとり二役で気持ちが変わりそうな自分を制するのであった。

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来月、未開の只見川上流の大イワナに会うのが楽しみである。

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それでは今日もNo Tsuri-ba! No Life!


http://tsuri-ba.net/wp-content/uploads/2016/08/image-5.jpeghttp://tsuri-ba.net/wp-content/uploads/2016/08/image-5-150x150.jpegtsuri-ba渓流・源流の釣りイワナ,ルアー,尺上,檜枝岐,源流どうもこんにちは!ツリーバ編集長の日比谷です。 今回の檜枝岐釣行キャンプでの釣りは悲しいかなこの日が最後となる3日目は檜枝岐川(実川)の上流部を遡行しようと前日のほろ酔い頭で決めたのだ。 この檜枝岐村の中心を流れる村のシンボル的な川は大雑把に区分けすると七入から下は放流ものと上流から落ちてきた天然もの、あるいは天然化したイワナが混ざる流域、そこから上は基本的には天然ものが生息するエリアとなる。 魚影は濃く初心者でも4.5メートルの渓流竿があればぶどう虫やイクラを餌に簡単にイワナを釣ることができる。しかしながら林道沿いあるいはキャンプ場沿いで入渓は容易、季節になれば人の気配も多く魚がスレまくっていることがあるため、できる限り上流から入るのが釣果への近道となるのは間違いない。 早起きした子どもがぐずついたりと思わぬトラブルで出発したのが8時近くになってしまったが、昼には戻る約束をしオートバイで舗装されていない濃い緑に囲まれた林道をしばらく走り、支流の沢を利用して渓へと降りる。 倒木や大きな岩の上を足場に、注意しながら下降していく。時折小さな流れに足を入れると水の冷たさが気持ちよく、チャプチャプとした音が心地よく、釣りへの期待感も自然と高まっていく。 沢筋から渓へと降りると渇水状態かつささ濁りである。雨も降っていないのに濁りがあるのはなぜだろうかと独りごちながら遡行を開始すると新しい踏み跡、と言うよりも岩に濡れた足跡が付いておりまだ乾いていない新しい人の気配がある。 すぐ近くに先行者がいるようだ。このあたりはエサ釣り師か、フライマンがほとんどでルアーならまた違った反応をするのではないかと淡い期待を持ちながらバックパックからタックルを引っ張り出し、コータックのスプーンを投げながら遡行していく。 いつもは水量のある大きなトロ場も渡渉できてしまうほど浅く、なかなか魚の付き場を見極めるのが難しい。 話によると相当な期間雨が降っていないそうだ。 奥の淵でルアーをトゥイッチすると寄ってはくるのだがまったく口を使わない。 大きな堰堤まで遡行するがそれまで魚の姿すら見えずあたりもない。 とりあえず堰堤を高巻いて一段上に降り立つとフライマンと餌釣り師が先行しているのが見えた。 止むを得ず一旦上がることにし、心臓が破裂するのではないかと思うほどの強烈な斜面をブッシュにつかまりながら登り、天然バラの棘にやられながら藪漕ぎで一度林道まで出る。 一度戻ってオートバイで林道を上がるか、徒歩で上がるか少し考えたが、林道を歩く方が楽しいと言う理由で徒歩で上がっていくと管理用に使われている道がありそれを伝って渓へと降りる。 水が枯れ、人の頭大の岩がゴロゴロとしている川床の上を歩き藪の切れ目から顔を出すとフライマンと目があった。ワタシは人の気配から逃げる熊のように来た道を戻りさらに上流へと歩みを進めた。 下降するのにちょうどいい沢があるのだが、引き上げるのかこれから入るのかわからない釣り人が、停めた車の脇でガサガサとやっているのでさらに上流の休止した工事現場から再入渓し、踏み跡や足跡を探すと新しいものはないようだ。 高巻きのためにしまったタックルを引っ張り出し遡行を再開する。 ここから先へ入るのは本当に久しぶりだ。 いつ以来だろうか。まだ飼い犬が存命で元気だった頃に釣りに同行させて以来、5、6年ぶりにもなろうか。工事もその頃から休止しているようである。 さっきまでの場所とは違いイワナがよく姿を見せるようになった。手元に伝わるあたりもある。 人の気配のある場所とない場所とではこんなにも違うものなのだ。 流れが2つに割れ、一方は細いながら深さがあり木が覆いかぶさっている。間違いなくここにはいると思いイワナに気づかれぬよう体を低く屈め、大きく広げた手のような枝葉の下にスプーンを送り込む。 何度かやっているうちに枝に引っかかってしまい何をどうしても外れないので、仕方なく流れに近づきルアーを外そうとすると、やってしまったと後悔するよりも早く、黒く大きな影がものすごいスピードで駆けて行った。 尺上イワナだ。 諦めて遡行していくと渓相がぐっと源流のそれになり、滑床が増えてくる。ワタシが最も好きな雰囲気だ。 浅くなった滑床のトロ場で2匹のイワナが顔を見せるが食わせられない。さらに上流の深場でようやく良型のイワナがヒットした。キレイにフッキングしていて外すのがもったいないぐらいだが、ネットに入れてキープする。 少し大きな淵で背中が青い尺上がルアーを食おうと追ってくるがこれも食わせられない。すぐにスレてしまい反応が薄くなったのをきっかけにスプーンからミノーに変えると今度は2匹で追ってきたが、ダメだ。 これも諦めて少し上がると奥に不気味なほど巨大な堰堤が見えてきた。時間的にもそこが今回の釣行の終点となる。 そこまでに見える釣れそうなポイントはわずか。もちろんやってみなけりゃわからないのだが、しらみ潰しにやっていては明日になってしまう。 有力そうな小さな落ち込みにDコンタクトを打ち込み、軽くトゥイッチしてくるとグッと根掛かりのようなアタリが出た。スイープに合わせてロッドを引くがものすごい力で抵抗する。 水中でもんどりうつ黒とオレンジのニッコウ系の体。 これはでかいぞ。 ロッドが大きく曲がる。 誰もいない渓でひとり興奮しにやけ顏になる。 しっかりとフッキングしているのがわかったので安心してやり取りをしているとイワナが流れに乗り岩と岩の隙間に入り込むと、ルアーが挟まる形でひっかかってしまった。 すると岩の隙間からハリにかかったイワナがぶら下がるように流れに乗って出てきた。 まったくテンションがかけられない。外れるなよ外れるなよ、との願いもむなしくイワナは軽々といとも簡単にハリを外し逃げて行った。 さすが、檜枝岐の尺上イワナだ。完全にワタシの負けである。 夜は仕留めたイワナを備長炭でじっくりと塩焼きにし、焚き火を見ながらこの最後の出来事を回想していると、来月もう一度入ってみようかと言う誘惑に襲われる。しかし只見川上流で大イワナを釣ると決めたのだから、それはダメだとひとり二役で気持ちが変わりそうな自分を制するのであった。 来月、未開の只見川上流の大イワナに会うのが楽しみである。 それでは今日もNo Tsuri-ba! No Life!家族みんなが笑顔になる釣りWebフリーマガジン