こんにちわ!ツリーバライターのイシザキです!

最近は○ンポ釣りだのしめじルアーだのおふざけが過ぎている気がする。
ツリーバライターとしての将来性に不安を覚え、そろそろ真面目さをアピールできる記事をかけないかと考えていたのです。

ということでネットサーフィンして何書こうかなぁとか考えてると、中束明佳さんという方が主催する「魚会」なるものが開催されていることを知った。
新鮮さを命とした刺身だけではなく、「もっと違う味わい方」を提案する会だという。次回の8月5日の東京魚会では、「ハモと夏野菜とお茶のマリアージュ」として開催。「ハモをこれまでにないような形でご賞味いただけること間違いなし」の企画とのこと。

「もっと違う味わい方を」という魚会からの問いに対し、「魚は刺身が一番じゃい」とあまのじゃくな自分は答えてしましそう。だが、釣り人として将来のクラスチェンジを望むには、料理男子への道を歩む第一歩が必要。

ということで今回は、魚の旨味成分についてお勉強。勉強したくないという思いから前置きが長くなってしまったが・・・

●アデノシン三リン酸(ATP)とイノシン酸
魚類に多く含まれる旨味成分はイノシン酸。煮干しや鰹節に多く含まれる旨味成分です。ですが、私たちが普段やりとりする元気な魚達。元気に泳ぐ彼らにはイノシン酸はまだ含まれない。

鰹節 (wikipedia掲載画像)

が、死後の時間経過とともにイノシン酸に分解されるアデノシン三リン酸(ATP)を含んでいる。ATPは魚達が体を動かすエネルギー源で、このATPを多く保った状態で昇天してもらうのが、魚を美味しく食べるコツなのです。

●活魚を締めて美味しい魚に育てよう
魚が生きてる段階では、鰓から酸素を取り入れ、ミトコンドリアに酸素を供給してATPを生成、運動のエネルギーとする。したがって、理想的にはかかった魚を一瞬で抜き上げ、必殺仕事人ばりの締め作業で魚を昇天させる。そうして初めて最大のATP魚をゲットできる。
魚を釣りあげてほっとくとか、下手にバケツで生かしておく。これは、酸欠状態で運動しているようなもんでATPがどんどん減っちゃうらしい。そのため、美味しく食べるためには迅速な締め作業が必要なのです。魚としても、酸欠状態で生殺しされるより早く楽になりたいよね。
また、魚とのファイトで減ったATPを回復させる「活け越し」という技もあるようですが、素人では難しく、むしろ逆効果という考えが優勢のように思われます。

飲食店内での生簀 (wikipedia掲載画像)

●死後〜硬直前はあまり美味くないらしい
死後は時の経過とともに体が硬直し、ATPが酵素によりイノシン酸へとチェンジしていく。したがって、締めた後あまりすぐ食べ過ぎると、身もぶよぶよだし旨味もあまりないという残念な結果になってしいます。
「洗い」という技術は、氷水で強制的に硬直状態を作り出して歯応えを出すという意味があるらしい。ただし、コイやスズキの洗いのように臭み成分を抜くという意味合いもある。


鯉の洗い(wikipedia掲載画像)

また、旨味のない身に旨味成分を加えるという点では、昆布締めや塩締めといった調理法を使う。

昆布締め (wikipedia掲載画像)

●ゴリゴリ刺身を喰らうなら死後硬直期
死後硬直期には身がもっともしまって歯応えが楽しめます。ゴリゴリの刺身を食らいたいなら死後硬直期でしょう。ですが、旨味成分のイノシン酸はまだまだ少ない時期。味に関しては昆布締めや塩締めを行ったり、漬けやカルパッチョなどにするのもあり。

カルパッチョ(wikipedia掲載画像)

●解硬、軟化、腐敗
時間が経ち死後硬直が解けると、身はどんどん柔らかくなる。反面で旨味成分のイノシン酸はどんどん増えていきます。だから、魚感を味わいたいなら、釣りたてではなく時間をおいて食べるのが良いでしょう。
ですが当然、イノシン酸の増加とともに腐敗も同時に進行します。そこで、登場するのが「発酵」技術。これにより作られるのが鰹節や煮干し、干物等です。旨味MAX食材ですね。発酵では、塩水処理、水抜き・乾燥、紫外線の殺菌作用、温度調整がキモ。これにより腐敗菌が不活性化されるのでイノシン酸の増加を実現しつつ腐敗を抑えます。

天日干し風景 (wikipedia掲載画像)

いやー、勉強きつい。

No Tsuri-ba! No Life!

https://tsuri-ba.net/wp-content/uploads/2017/07/640px-Arai_of_Carp_at_Saku_city-1.jpghttps://tsuri-ba.net/wp-content/uploads/2017/07/640px-Arai_of_Carp_at_Saku_city-1-150x150.jpgいしぽよ釣りTALK料理,締めこんにちわ!ツリーバライターのイシザキです! 最近は○ンポ釣りだのしめじルアーだのおふざけが過ぎている気がする。 ツリーバライターとしての将来性に不安を覚え、そろそろ真面目さをアピールできる記事をかけないかと考えていたのです。 ということでネットサーフィンして何書こうかなぁとか考えてると、中束明佳さんという方が主催する「魚会」なるものが開催されていることを知った。 新鮮さを命とした刺身だけではなく、「もっと違う味わい方」を提案する会だという。次回の8月5日の東京魚会では、「ハモと夏野菜とお茶のマリアージュ」として開催。「ハモをこれまでにないような形でご賞味いただけること間違いなし」の企画とのこと。 「もっと違う味わい方を」という魚会からの問いに対し、「魚は刺身が一番じゃい」とあまのじゃくな自分は答えてしましそう。だが、釣り人として将来のクラスチェンジを望むには、料理男子への道を歩む第一歩が必要。 ということで今回は、魚の旨味成分についてお勉強。勉強したくないという思いから前置きが長くなってしまったが・・・ ●アデノシン三リン酸(ATP)とイノシン酸 魚類に多く含まれる旨味成分はイノシン酸。煮干しや鰹節に多く含まれる旨味成分です。ですが、私たちが普段やりとりする元気な魚達。元気に泳ぐ彼らにはイノシン酸はまだ含まれない。 鰹節 (wikipedia掲載画像) が、死後の時間経過とともにイノシン酸に分解されるアデノシン三リン酸(ATP)を含んでいる。ATPは魚達が体を動かすエネルギー源で、このATPを多く保った状態で昇天してもらうのが、魚を美味しく食べるコツなのです。 ●活魚を締めて美味しい魚に育てよう 魚が生きてる段階では、鰓から酸素を取り入れ、ミトコンドリアに酸素を供給してATPを生成、運動のエネルギーとする。したがって、理想的にはかかった魚を一瞬で抜き上げ、必殺仕事人ばりの締め作業で魚を昇天させる。そうして初めて最大のATP魚をゲットできる。 魚を釣りあげてほっとくとか、下手にバケツで生かしておく。これは、酸欠状態で運動しているようなもんでATPがどんどん減っちゃうらしい。そのため、美味しく食べるためには迅速な締め作業が必要なのです。魚としても、酸欠状態で生殺しされるより早く楽になりたいよね。 また、魚とのファイトで減ったATPを回復させる「活け越し」という技もあるようですが、素人では難しく、むしろ逆効果という考えが優勢のように思われます。 飲食店内での生簀 (wikipedia掲載画像) ●死後〜硬直前はあまり美味くないらしい 死後は時の経過とともに体が硬直し、ATPが酵素によりイノシン酸へとチェンジしていく。したがって、締めた後あまりすぐ食べ過ぎると、身もぶよぶよだし旨味もあまりないという残念な結果になってしいます。 「洗い」という技術は、氷水で強制的に硬直状態を作り出して歯応えを出すという意味があるらしい。ただし、コイやスズキの洗いのように臭み成分を抜くという意味合いもある。 鯉の洗い(wikipedia掲載画像) また、旨味のない身に旨味成分を加えるという点では、昆布締めや塩締めといった調理法を使う。 ●ゴリゴリ刺身を喰らうなら死後硬直期 死後硬直期には身がもっともしまって歯応えが楽しめます。ゴリゴリの刺身を食らいたいなら死後硬直期でしょう。ですが、旨味成分のイノシン酸はまだまだ少ない時期。味に関しては昆布締めや塩締めを行ったり、漬けやカルパッチョなどにするのもあり。 カルパッチョ(wikipedia掲載画像) ●解硬、軟化、腐敗 時間が経ち死後硬直が解けると、身はどんどん柔らかくなる。反面で旨味成分のイノシン酸はどんどん増えていきます。だから、魚感を味わいたいなら、釣りたてではなく時間をおいて食べるのが良いでしょう。 ですが当然、イノシン酸の増加とともに腐敗も同時に進行します。そこで、登場するのが「発酵」技術。これにより作られるのが鰹節や煮干し、干物等です。旨味MAX食材ですね。発酵では、塩水処理、水抜き・乾燥、紫外線の殺菌作用、温度調整がキモ。これにより腐敗菌が不活性化されるのでイノシン酸の増加を実現しつつ腐敗を抑えます。 天日干し風景 (wikipedia掲載画像) いやー、勉強きつい。 No Tsuri-ba! No Life!手は震え、動悸も止まらない釣りWebフリーマガジン