どうもこんにちは!ツリーバ編集長のヒビヤです。

バラシまくり釣行の沢から戻りテン場でしばらくショックで放心した後、こんな事もあろうかと事前に準備しておいたブドウ虫を持って隠れ沢でチョウチン釣りをする事に決め、今回もオートバイで入渓ポイントまで行く事にした。

川虫を採取して釣った方が断然楽しいのだが、面倒なので今回はブドウ虫を用意したのだ。しかも村内唯一の酒屋でブドウ虫の取扱いをやめてしまった事が前回の釣行で判明したので、事前に用意しておいた、と言う訳だ。

テン場を出発し国道からボサボサの林道に入り大木が倒れ道を塞いでいたところまで来ると取りあえず人やオートバイであれば通れる程度に木が切られ、応急処置がされていた。

切られた大木の間を抜け、前回良型がいることがわかっているにも関わらず取りこぼしとなったポイントに入りたいため、真っ先に堰堤の上から入渓することにした。

藪を漕ぎ沢へと降りると流れが広がり水たまりのようになったところにイワナがいたりするから驚く。

これはほとんど人が入っていない証拠だ。

渓の釣り人とは面白いもので、みなできる限りの上流から入渓し、人によってはさらに遡行してから釣行をスタートしたりする。

しかしそういった釣り人から忘れられたイワナたちが大きく育ち、実は有力そうなポイントよりも下流側にたまっていたりすることもあるのだ。

魚が着きそうな落ち込みを見つけては身をかがめそーっと竿を伸ばし餌を落として行く。この時ボチョンと水面に飛び出すイワナのリアクションバイトに持ち込めれば完璧。そうでなければ上流から下流へと流れる餌を演出する。

ただ藪沢なので本流のように横向きで流すことはできず、動作としては自分のいる方向、つまり手前に向けて目ぼしいところを流すことになる。そうなると6.1メートルの竿では操作が難しい。そこで、小継ぎの仕組みが大活躍すると言うわけだ。

そう、ご想像の通り、竿を縮めて行くのだ。

ただこの時竿尻の方から縮めていかないと仕掛けが○ん玉よろしくブラブラしてしまい違和感でイワナが逃げてしまうので、注意が必要だ。

流して釣れるパターン、水面に餌が落ちた瞬間に飛び出してくるパターンでポツポツと釣り上がり、前回大物が数匹いるにも関わらず諦めた核心ポイントが見えてくる。

緊張する瞬間だ。

手前から魚の反応を探っていくと良型イワナがヒットした。が、ワタシが釣りたいのはこれではない。

もっと奥にいるのか?

ボサの影に身を隠しそーっと竿伸ばして行く。

落ち込みの手前で餌を落とした瞬間に黒い影が物凄いスピードで走る。

目印が横にすっと走り、岩の下に戻った。ここで焦ってはいけない。

今回はどうしても捕りたい魚だ。針を飲ませる作戦に出る。もしここで失敗すれば次ない。食いが立っている時であれば何度でも食ってくることはあるが、今回はそうではなさそうなのだ。魚の見切りが早い。

ワタシの山の師匠の一人は歌いながら煙草を一本吸い終わるまで待つとよく表現するが、これも源流のイワナを確実にキャッチするためのテクニックだ。

少し待ったところでアタリを聞くか合わせるか、聞くと違和感で離してしまう事があるが、ここはひとつ慎重に聞いてみると魚はついている。

小さく、鋭く、合わせを叩き込むと狙ったイワナがヒットした!

尺には届かないがそれでもかなりいい引きをしてくれる。

竿を縮めて寄せ、タモでキャッチ。

満足!大満足!

やっとこれで帰れるよお母さん!

やっぱり藪沢の釣りは面白い!

ただ、フィールドが狭く釣りつくしてしまえば絶滅してしまうので、どうしても釣れない時の逃げ場にしておきたいポイントだ。

更に遡行し少し追加したところで今回は納竿する事にした。

どの釣り方が一番面白いかなどと言う評価はできないのだが、久しぶりに藪沢での餌釣りをやるとルアーよりもワタシ個人としてはこちらが好きだ。

と言うのも決まった距離で対峙するしかなく、近づけば逃げる、遠くは届かない、この微妙な魚との距離感と諦める潔さ、緊張感がとてもスリリングで面白いのだ。

ドキドキしちゃうのだ。

とは言え、疑似餌が好きなワタシはもう何年も前からやりたいやりたいと思いつつ、なかなか手を出せなかった釣りがある。

それは、テンカラだ。

フライフィッシングの方がオシャレだし、カッコいいし、なんかモテそうだし、融通も効く気もするのだが、やはり日本独自に発展してきた超絶シンプルな毛バリ釣りにワタシは魅力を感じている。

今回の釣行を終え帰路につく前に師匠の一人の仙人にご挨拶をすると、次は毛バリを覚えてやるといいと言うお言葉をいただいた。

この時、前述したテンカラへの想いが沸々と蘇り、その瞬間からワタシの頭の中はテンカラでいっぱいになってしまった。

帰りの運転の最中も妻の話はほとんど耳に入らず。ずっとテンカラの事を考えていた。

ランチの時、トイレ休憩の時も。

テンカラやりたい!

もう我慢できない!

そして今、タックルを物色する毎日である。

それでは今日も、No Tsuri-ba! No Life!

https://tsuri-ba.net/wp-content/uploads/2017/07/IMG_3298.jpghttps://tsuri-ba.net/wp-content/uploads/2017/07/IMG_3298-150x150.jpgtsuri-ba渓流・源流の釣りイワナ,檜枝岐,源流,藪沢どうもこんにちは!ツリーバ編集長のヒビヤです。 バラシまくり釣行の沢から戻りテン場でしばらくショックで放心した後、こんな事もあろうかと事前に準備しておいたブドウ虫を持って隠れ沢でチョウチン釣りをする事に決め、今回もオートバイで入渓ポイントまで行く事にした。 川虫を採取して釣った方が断然楽しいのだが、面倒なので今回はブドウ虫を用意したのだ。しかも村内唯一の酒屋でブドウ虫の取扱いをやめてしまった事が前回の釣行で判明したので、事前に用意しておいた、と言う訳だ。 テン場を出発し国道からボサボサの林道に入り大木が倒れ道を塞いでいたところまで来ると取りあえず人やオートバイであれば通れる程度に木が切られ、応急処置がされていた。 切られた大木の間を抜け、前回良型がいることがわかっているにも関わらず取りこぼしとなったポイントに入りたいため、真っ先に堰堤の上から入渓することにした。 藪を漕ぎ沢へと降りると流れが広がり水たまりのようになったところにイワナがいたりするから驚く。 これはほとんど人が入っていない証拠だ。 渓の釣り人とは面白いもので、みなできる限りの上流から入渓し、人によってはさらに遡行してから釣行をスタートしたりする。 しかしそういった釣り人から忘れられたイワナたちが大きく育ち、実は有力そうなポイントよりも下流側にたまっていたりすることもあるのだ。 魚が着きそうな落ち込みを見つけては身をかがめそーっと竿を伸ばし餌を落として行く。この時ボチョンと水面に飛び出すイワナのリアクションバイトに持ち込めれば完璧。そうでなければ上流から下流へと流れる餌を演出する。 ただ藪沢なので本流のように横向きで流すことはできず、動作としては自分のいる方向、つまり手前に向けて目ぼしいところを流すことになる。そうなると6.1メートルの竿では操作が難しい。そこで、小継ぎの仕組みが大活躍すると言うわけだ。 そう、ご想像の通り、竿を縮めて行くのだ。 ただこの時竿尻の方から縮めていかないと仕掛けが○ん玉よろしくブラブラしてしまい違和感でイワナが逃げてしまうので、注意が必要だ。 流して釣れるパターン、水面に餌が落ちた瞬間に飛び出してくるパターンでポツポツと釣り上がり、前回大物が数匹いるにも関わらず諦めた核心ポイントが見えてくる。 緊張する瞬間だ。 手前から魚の反応を探っていくと良型イワナがヒットした。が、ワタシが釣りたいのはこれではない。 もっと奥にいるのか? ボサの影に身を隠しそーっと竿伸ばして行く。 落ち込みの手前で餌を落とした瞬間に黒い影が物凄いスピードで走る。 目印が横にすっと走り、岩の下に戻った。ここで焦ってはいけない。 今回はどうしても捕りたい魚だ。針を飲ませる作戦に出る。もしここで失敗すれば次ない。食いが立っている時であれば何度でも食ってくることはあるが、今回はそうではなさそうなのだ。魚の見切りが早い。 ワタシの山の師匠の一人は歌いながら煙草を一本吸い終わるまで待つとよく表現するが、これも源流のイワナを確実にキャッチするためのテクニックだ。 少し待ったところでアタリを聞くか合わせるか、聞くと違和感で離してしまう事があるが、ここはひとつ慎重に聞いてみると魚はついている。 小さく、鋭く、合わせを叩き込むと狙ったイワナがヒットした! 尺には届かないがそれでもかなりいい引きをしてくれる。 竿を縮めて寄せ、タモでキャッチ。 満足!大満足! やっとこれで帰れるよお母さん! やっぱり藪沢の釣りは面白い! ただ、フィールドが狭く釣りつくしてしまえば絶滅してしまうので、どうしても釣れない時の逃げ場にしておきたいポイントだ。 更に遡行し少し追加したところで今回は納竿する事にした。 どの釣り方が一番面白いかなどと言う評価はできないのだが、久しぶりに藪沢での餌釣りをやるとルアーよりもワタシ個人としてはこちらが好きだ。 と言うのも決まった距離で対峙するしかなく、近づけば逃げる、遠くは届かない、この微妙な魚との距離感と諦める潔さ、緊張感がとてもスリリングで面白いのだ。 ドキドキしちゃうのだ。 とは言え、疑似餌が好きなワタシはもう何年も前からやりたいやりたいと思いつつ、なかなか手を出せなかった釣りがある。 それは、テンカラだ。 フライフィッシングの方がオシャレだし、カッコいいし、なんかモテそうだし、融通も効く気もするのだが、やはり日本独自に発展してきた超絶シンプルな毛バリ釣りにワタシは魅力を感じている。 今回の釣行を終え帰路につく前に師匠の一人の仙人にご挨拶をすると、次は毛バリを覚えてやるといいと言うお言葉をいただいた。 この時、前述したテンカラへの想いが沸々と蘇り、その瞬間からワタシの頭の中はテンカラでいっぱいになってしまった。 帰りの運転の最中も妻の話はほとんど耳に入らず。ずっとテンカラの事を考えていた。 ランチの時、トイレ休憩の時も。 テンカラやりたい! もう我慢できない! そして今、タックルを物色する毎日である。 それでは今日も、No Tsuri-ba! No Life!手は震え、動悸も止まらない釣りWebフリーマガジン