どうもこんにちは!ツリーバ編集長のヒビヤです。
今年の梅雨はどこかおかしい。例年であれば7月半ばか終盤までジトジトとした雨が続き、それまで陰鬱だった気持ちがパっと晴れたかのように真夏の空が広がるはずである。
それが今年はどうだ。大した雨が降ることもなく、7月を待たずして梅雨明けが宣言されてしまった。
それと同時にワタシの心も今年最初の源流に向け、どこか夏空のように晴れ渡る明るいものとなっていた。
6月22日からのキャンプ釣行が中止となり、7月の連休まで我慢をせなばならぬかと思っていたところ急遽29日〜30日まで二日間の釣行へと行けることになったからなおさらだ。
今回は釣りだけではない。オフロードタイヤを履かせたカブでの林道走行でどのようなパフォーマンスを発揮してくれるのか、それを尺測る楽しみも含まれている。街乗りだけであれば安いノーマルタイヤで良いものをわざわざ源流釣行のためだけにオフロードタイヤに変えたのだ。
なんと言ってもカブは富士登頂に成功したバイクであり開発された時代背景を考えればダートを走ることなどさしたる問題ではないことぐらいは想像はつくのだが、やはり実際に走って試してみたいではないか。想像の釣りと実際の釣りが違うように。
出発はいつもの通り前日の夜、つまり28日の夜である。朝からのうだるような暑さは夜になっても変わることはなく、カブを車に積み、小物を積み、車を走り出させる頃にはすっかり汗ビッショリになってしまった。
21時過ぎに自宅を後にし、途中休憩を挟んで檜枝岐に到着するのは深夜2時頃だろう。ただし眠気に負けなければの話だが。
東北自動車の西那須野塩原ICを降りてから山々をぐるりと避けるように曲がる国道を実に100kmほど走らなければならい。この間に仮眠をとれる道の駅は三つ。睡魔に負けるのならこの3つのうちのどこかへ滑り込む判断をしなくてはならない。最後の一つである番屋からもかなり離れているため判断は早い方が良い。
渋滞などもなく東北道を順調に走り西那須野塩原ICを降りたのは0時頃。コンビニで眠け覚ましの激強打破を買い残り100kmの運転に備える。
塩原を抜けると標高はぐんぐんと上がっていく。あたりは時折現れる交差点を照らす街灯以外は灯りとなるもの何もなく、ひたすらに闇が続くばかり。自分が運転する車のLEDヘッドライトだけが頼りだ。
しかししばらく走ると濃いキリが発生しはじめた。ハイビームでは見やすいようで乱反射してしまうのでロービームとフォグランプを使い、ところどころでハイビームで確認しながらのなんとも疲れる状況だ。
ただでさえ辺りは暗いのにこのキリである。それはもはや眠りを誘うには十分な閉塞した空間となり、道の駅「田島」で仮眠をとることにした。
この時になって効き始めてきた。
激強打破!
全然眠れへん!
とは言えこれ以上運転をする気にはなれない。少しウトウトしたのかしてないのかわからにうちに夜は開け鳥のさえずりが聞こえ始める。
あと60km。
さぁ再出発だ。
真夜中の雰囲気とは一変し見慣れた景色はとてもさわやかでどこか懐かしい。やはり檜枝岐へ向かうのは朝が良い。たとえ釣行時間を削ったとしてもである。
見慣れた山々の間を縫うようにのんびりと走り後方から車間を詰めるfitを先に行かせる。馴染みの七入オートキャンプ場へは6時前に到着した。
山の仙人サトヤンさんはすでに起きており、子が生まれてからは早くて7月から来ていたワタシが1人で6月に現れたので少し驚いているようだ。
状況を聞くと雨が少なく、下流すぎても上流すぎてもあまり状況はよくないとのこと。
それであれば今年一発目は本流中間部から思う存分遡行して行こうと心に決める。
いよいよワタシとカブの源流釣行が始まる。
カブのキックスターターを踏むとカブの軽快は排気音が静かな山々に響く。
ギヤを1速に入れ、日が登り始めた山から吹く暖かな風に逆らうようにカブを発進させた。
それでは今日も、No Tsuri-ba! No Life!