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【荒川シーバス2018】信じて、疑わず、思い込む、悲しい男の物語

どうもこんにちは!ツリーバ編集長のヒビヤです。

いよいよ季節は秋らしくなり、日によりバラつきはあると思うが我々夜のファーザーズアングラーも少々上着を着た程度では寒さを感じるようになってきた。

ホームフィールドは青々鬱蒼とした薮が枯れはじめ、足元には落ち葉が目立ち始めている。

そろそろ関東の山々も紅葉で色づき始めてくる頃だ。

獣の冬ごもり準備にいまだ安心はできないだろうが、釣り人がいなくなり少しだけ静かになった渓の魚たちもきっと美しい紅葉を見ながら季節の変化を感じ、産卵や越冬に備えていることだろう。

赤や黄色と強い発色で我々の目を楽しませてくれる紅葉だが魚の目には実際のところどのように写っているのだろうか。

魚種にもよるところだと思うが、最近の研究で脳表面の松果体と言うところで光の色を検出していることがわかったそうだ。これは両生類や爬虫類に備わっているものらしく、人間にはないと言う。

簡単に言うと日向と日陰の区別に役立てているらしいのだが、つまり人は見ることのできない紫外光を見ること、あるいは感じることができると言うことだろう。

これは以前から言われていることではあるが、その仕組みが解明された形だ。

しかし人は感覚や経験はもとより、憶測からその本質を自分の目で光の反射体として見るまでは見抜けない、すなわち思い込んでしまうことがある。

これはそんな思い込みが招いたある男の悲しい物語である。

10月23日 20時30分〜22時

大潮下げ六分ぐらい

雨が降りそうな曇り

思いの外強い風

 

潮汐を見る限り水位が低く流れが早い事が想像されるため、流れが緩みベイトフィッシュのたまる秘密の干潟ポイントからエントリーする。

何者かの作る波紋やコイの予感するドバシャーンがちょこちょこ起きており、イナっ子もほどよく群れている。

今回の課題はあの波紋を作っているのは何者かを解明することだ。捕食行動だとしてレンジを合わせるのであればトップから水面直下だろう。少し外してその下でリアクションを狙うのもいいかもしれない。

ポイント途中までをランガンし自作ルアー、メーカーもの、ダイソールアーを各レンジ、キワッキワからキワッキワまでパノラマキャストを繰り広げるがまったく反応がない。

そもそも例年であればどんなに調子の悪い年でもトップに出るのだが、たまに食い気のない誤爆はあれどそれ以上のものはない。

一箇所で4ヒット4キャッチ、最大65、全部トップで!なんて時があったじゃねぇか!

どうしちまったんだよ荒川さんよぉ!

こう言う状態がルアーケースを膨らませる一番の要因だ。

アレなら釣れるのではないか、アノレンジなら、アノ動きなら、アレもコレもソレもと可能性を求めて詰め込みすぎてしまう。

調子がよければ2種類、トップと表層系があれば十分だ。ワタシの場合、具体的な製品名を上げるとソルトペンシルとスーサン。この二つで間に合ってしまう。

つまり、ついこの前まで自作ペンシルと自作シンペンの二つで間に合っていたと言うのはそう言うことだ。

しかし前回、レンジとアクションを変えてヒットしたのとアタリがいくつもあったのだから、きっとこの二つでは役不足なのだろう。

トップで釣れないなんて、

お色気コントの無いドリフと同じじゃないか!

消え入りそうな小さなやる気をなんとか焚き付けてストラクチャーポイント1へと大きく移動し、前回と同じく剣道ポーズをとるとダイソーバイブのフォールでキワッキワを探る。

しかし前回のようなアタリは出ない。

やはりフォールスピードが遅いのか。

モアザンソルトバイブにチェンジし同じ場所を同じアクションで探ると答えは出た。

ンゴゴっとした感触が高くあげた手に伝わってくる。

キタ━(・∀・)━!!!!

電撃フッキング!

ズバババババババババババ!

今回はテンションが抜けないようにしっかりとロッドを曲げる。

いいぞ、いいサイズだぞ!

チリチリと時折ドラグが音をたてる。

魚の行く手を塞ぐようにかかる力とは逆方向へとロッドを倒す。

右へ、左へ。

ランディングの姿勢に入りタモを構えるが、足元まで寄せてもなお逃げる。

焦るな、焦るな。

いいぞ、その調子だ。

無事にネットイン!

うそ、だろ。。。

ワタシのテンションが一気に抜けて行く。

ワタシの目に入ったのは、

巨大グイウーパイセン!

ブヒー。。。

エラ洗いしないけど、まぁこの季節で釣れないのだからきっと水温が低いとか、何かあるんだろうと思い、シーバスがヒットしたと完全に思い込んでいた。

疑う気持ちなんて1ミリもなかった。

おっす!おらジジイ!バラしの呪いは解けたみてーだけど、別の呪いをかけられちまったみてーだぁ♪

とてもとても落胆である。

あんなに信じていたのに。。。

疑いを持っていれば、あるいは初めから信じていなければ、こんなに傷つくことはなかったのに。。。

こんなことならまだズーボーの方がよかった、荒川さん。。。

悲しい男はひとり、泣きながら納竿するのであった。

それでは今日も、No Tsuri-ba! No Life!