どうもこんにちは!昭和ノスタルジックハンター編集長の上野蛇屋です。
半蔵門。
その一角に昭和と言う激動の時代に取り残されてしまったかのような店がある。
萬来軒だ。
最近はラーメン屋と言うと○○家とか○○系とか○○インスパイア系とか基本一種類が売りのラーメン専門店が流行る傾向にある。
しかしワタシは赤い店内、短冊のような手書きのメニューが壁にぶらさがりいろんなメニューが選べるいわゆる中華料理屋が好きだ。オムライスがあれば尚可。
椅子を引けばブゴーっと音がする。
吸い殻が入ったままの灰皿。
客が席に着いてからテーブルを拭く。
何をすればそんなに汚れるのか謎の厨房服。
少しでも手が空けばテレビを立ったまま見る店主。
店から出るとタバコと何か判別はできないが料理のにおいが服につく。
そう言うある種の趣ある店が好きなのだ。
春らしい春まであと一歩だなと感じる季節。どことなく軽い足取りのサラリーマン、片手に財布を持ったOLたちが行き交う歴史ある街の一角にその店はある。
店構えからして炒飯が絶対にうまいと言う根拠のない自信があった。
さして広くない店内にはまばらな客に対して厨房に2人、フロアに1人の男たちがいる。
ほんの数分で目的の炒飯が運ばれてくる。レンゲではなくスプーンであることが有難い。見た目のらしさで行けばレンゲだが最後の一口を上品に綺麗に食うにはスプーンが一番だ。
口の中へとスプーンで運ぶと予想は的中した。
ふと横を見るとフロア係の男が立ったまま隅っこの椅子に手をかけてテレビを見ている。
よく見るとその椅子には厨房服を着たじーさんが座り黙ってテレビを見ている。
神だ!この炒飯を彼らに伝授した神だ!間違いない。
先に席を立ったサラリーマンが会計をする。
キューゴーね!
フロアの男が言う。
つまり950円のことだ。
800円の炒飯は何と言うのだろうか。興味が湧いてきた。
ハチマル、とでも言うのだろうか。
ごちそうさまでした、と言い会計を促す。
フロアの男が言う。
ジーちゃん!チャーハン!
!!!!!!
あいよー!
!!!!!!
ジーさんが、いや、神が立ち上がる。
はい、ハッピャクエンね!
ありやしたー!
!!!!!!!!!!!
それでは今日も、No Tsuri-ba! No Life!
【編集長の人間模様観察】半蔵門の萬来軒。高い熱量は伝搬し、360度回り回って元に戻る謎の慣習。
【編集長の人間模様観察】有楽町の谷ラーメン。一度食べたら忘れられないうまさ。