どうもこんにちは!ツリーバ編集長のヒビヤです。
ストックホルム症候群と言う言葉をみなさんはご存じだろうか。
過去に起きた事件のなかで実際にあった出来事なのだが、例えば銀行強盗に人質にされ、脅され恐怖を感じている時に突然少し優しくされたりすると、犯人に従うようになったり、好意を抱くようになる現象の事だ。
絶好調な荒川でバラした時にはもう翌日の朝はベッドから出たくない、仕事にも行きたくない、もう何にもしたくない、荒川さんなんて嫌いだ!と言う心境に陥るのだが、絶不調で厳しく恐ろしい荒川で奇跡的なヒットがあると例えバラしたとしてもようやくシーバスに会えた、釣りには運があるようにあのシーバスは逃げる運命にあったのだ、ありがとう荒川さん、などともう最高の気分になってしまう。
これもある種のストックホルム症候群ではないだろうか。
今回はそんな悲しいアングラーの釣行記である。
3月28日 20時30分~22時
大潮下げ三分ぐらいのはずが六分ぐらい
雨が降りそうで降らない曇り
強風からの無風
バチ抜けがほぼ終了したとは言え、残りのバチ抜け期待でまた集団アングラーがいるのではないかとエントリーポイントをあれやこれやと考え彼らがいないであろう猫ポイントからエントリーする事にした。
遠く暗闇の先に見える集団ポイント、誰もいない。。。
さすがにバチ抜けへの期待は別のエリアへと向けられたのか、かなり遠くに見えるアングラーらしきヘッドライト以外はそれらしき人影は見えない。
しかし雨予報が出ているのと、強風、さらには絶不調感からすでに諦めモードのまま大好きストラクチャーポイント目指して中間は探らずにスピードランガンして行くが、キャストしずらい上にゴミがひどく、さらにやる気が失せてしまう。
諦めてはいかん!やるんだ!俺!
と気持ちを奮い立たせストラクチャーポイント1へと入るとここもまたゴミがひどく、1キャスト1ゴミの入れゴミ状態だ。
徒歩ランガンしながらストラクチャーポイント2を探るが、無反応な上に向かい風が強く足元はバシャバシャとしている。
しかもキャスト時の水しぶきが全部顔にかかる。
気持ち悪い!
ここも早々に見切りをつけて水位がまだあるうちにMMMポイントへ行こうと歩きはじめると短時間で先ほどよりも風が弱まり、なんとなく雰囲気が良い。そこでもう一度ストラクチャーポイント1に入り、ちょうどいい場所にある大きな木の枝の浮遊物を避けるようにワンダーをフラフラと通してくる。
流れに逆らいながらゆっくりとフラフラしながらワンダーがストラクチャーの切れ目に差しかかる。さっきはここもゴミだらけでこれができなかったのだ。
さぁ、くるぞ、くるぞ、くるぞ
くるぞ!
ストラクチャーから抜けたところでバチョン!水しぶきが上がる。
キター!ドババババババババ!
水しぶきがかかりそうなほどの超絶足元ヒット。
久しぶりのナイスサイズ!久しぶりのエラ洗い!
エキサイティーング!
やっぱりライトアクションのショートロッドでこのクラスをかけると面白い!
フィネスドラグをチリチリと出しつつ、バットからブチ曲がるロッド。
たまらん!
タモさんを伸ばしランディングしようとするがなかなか入ってくれない。入ったかと思うとまた出てしまう。
やりとりの最中、タモさんに何か違和感を感じたので横目で見ると、
無くした尻栓代わりのテープが破けて突き抜けている!
それに気を取られていると、
ブン!
フックアウト!ヒビヤ~アウト~!
マジか。。。
サイズは60ぐらいか。。。
もはや天を仰ぎ跪くほかなかった。
これをやると次が出ないのが荒川の七不思議だ。
ポイントを変え、手を変え品を変え、何をやってももう出ない。
草野心平さんの「河童と蛙」のような心境である。
しかし久しぶりにシーバスをかける事ができ、タモで触れることもでき、これまでの絶不調な荒川さんにいじめられていたワタシはいつの間にか荒川さんが大好きになっていた。
荒川さんは悪くない、いい荒川さんだと、どこか優しい気持ちで納竿し、さて帰るかとイージスオーシャンのファスナーを締めようと引っ張ると、ズルっとした感触。
ファスナーヤブケール!
タモツキヌケール!
シーバスバラース!
これはコントか!
それでは今日も、No Tsuri-ba! No Life!