こんにちは!ツリーバライターのイシザキです!
佃堀での「いとこん」をエサにしたハゼ釣り、結果は大満足!
だったのですが、現地で興味深いことを口にする紳士に出会いました。
前回:【ハゼ釣り2017】佃煮の里。岸壁に群がるハゼをイトコンで狩る!(佃ハゼ釣り①)
⚫️「これから泥抜きですかな?」
40分間夢中でハゼを釣り続け、シェアハウスでのハゼパ開催には十分だと判断し納竿の準備を始めます。
すると、一人の紳士から話しかけられる。
紳士:何を釣っているのですか?
僕:マハゼです。
紳士:ほう。ここらの釣り人はハゼを狙っているのですね。
おそらくダブルスコアくらい年が離れている彼の口調は、自分の子供世代の僕にも非常に丁寧なものだった。
紳士だ・・負けじと紳士を気取る。
僕紳士:普段は大物を釣っているのですが(狙ってるだけで釣れないんですけど)、急に小物が釣りたくなりましてな。というか食べたくなりましてな。
紳士:これから泥抜きですかな?大変ですな。
僕紳士:・・・ですな・・・・・・?
釣り人ならご存知かと思われますが…みたいな表情で語る紳士。
「まぁね、でもそれも釣りの楽しみの一部なのですよ」と言わんばかりに答える。でもねでもね
初耳ですけど?
え?ハゼって泥抜き必要なの?
今まで何回もハゼ釣りに行ったことがあるが、ハゼの泥抜きをしようなんて一度も考えたこともない。
ハゼといえば、汽水域の砂泥底にいる生物…言われてみれば泥抜き必要じゃね?ってのは当然の考えかもしれない。
でもでも!今まではそんなんやんなくても超美味しくたべれてたし… やはり我が故郷と異なり東京のハゼはレベルが違うのか?
せっかくだし、泥抜きしてみっか!と一瞬おもったりもしたが、
もう締めとるわいっ!
摘んだ生命は帰ってきません、大切にしましょう。まぁでも、我が家はシェアハウス。どうせ泥抜きなんてできる環境にないし、東京の泥臭いハゼを食べる!というのも面白いかもしれない。
⚫️T袋の知恵者たちの回答
ちょっと気になって調べてみると、やはりハゼ泥抜きの必要性については多少の議論があるよう。
権威あるご意見番のT袋でも同様の悩みが寄せられていたのだが、それに対する大多数の知恵者たちの回答はこうである。
いらねんじゃね?てかしたことねーぞ
でしょでしょでしょー!と、電車のなかで携帯に向かって共感しニヤリ。
どこの誰かとも知れない知恵者たち。
自分の考えは間違ってはいなかったのだ!と思わせてくれるから不思議である。
たしかに、正確な統計をとったわけでもない、一流料理人の話を聞いたわけでもない。
でもね、権威あるT袋の賢者たちの回答なのですよ。
泥抜きなんて、 いらないっしょ。
という結論に落ち着いた。
⚫️どうしても抜きたいあなたへ
備忘録として、泥抜きのポイントを3点ほど。
・活け:2~3時間ほど活かして泥を吐かせる。ウナギみたいに1週間は泥をぬけ!って話でもないし、泳がせ釣り用に活かしておくか~くらいの感覚でいいのか…
・締め:締め&血抜きor氷締めで鮮度を保つようにするとよいとのこと。ハゼだけにいえたことではないけど、やった方が美味しいのは間違いなさそう。
・調理:あとは調理時のポイント。これもハゼに限ったことではないけれど、臭みってのは調理する人の腕に左右されることが多い。鱗を綺麗にとり、内臓をキレイに取り除き、洗った水分をしっかり取る!とはいいものの、ハゼを一匹一匹丁寧に処理するのはメタクソ面倒であったり…
でもね、権威あるT袋の賢者たちの回答なのですよ。
泥抜きなんて、 いらないっしょ。
⚫️佃堀のハゼを捌いて天ぷらに
だが、僕よりあらゆる面で秀でていそうな紳士。
全国からネットを介して集まった知恵者たちより、東京を地元とする紳士の言葉を信じたくなる…
まぁでも、どうせ泥抜きなんてできる環境にないし。てかもう締めちゃったし。
だが、希望も生まれた。
ただのおっさんが、ただのハゼを、ただのおっさん達と一緒に食べる記事など誰が見たいだろうか。
東京の泥臭いハゼを食してこそ記事としての価値がある!
家に帰り下準備。今日はもう遅いし、天ぷらまでに調理するのがめんどくさいので、下ごしらえだけ。
・・・こんなに少なかったっけ?
かき揚げにしたら一個~二個分くらいか?
釣行時は調子に乗って仙人を気取っていたが、大した量を釣っていないことに気がつく。
おそらく30~40匹くらいか・・・40分でこの量だから、1匹釣り上げるのに1分くらいかかっている。
そう考えると一日で1000匹釣り上げるといわれる達人への道は程遠いかも。
とはいえ、久々の釣果。同居人へ食わすために心を込めて調理していく。
鱗、内臓を取り
大小に分けて
冷蔵。
終了!めっちゃ簡単に見えるんですけど、これが面倒くさい・・・。
釣ってくるだけで調理もしないお父さん達はこれだけでもやっておくと点数稼ぎになるかもしれません。
翌日。
ハゼ料理といえばやはり天ぷら。江戸前では、あんなクソ簡単に釣れるハゼが穴子やエビと並んで高級ネタとして位置付けられている。不思議な現象である。そう思って調べてみたら理由は単純。
大きいのじゃないと天ぷらとして成立しない、ということらしい。高級天ぷら店で出されるようなハゼは大きな、普段我々がつらないようなモンスター。
せっかく江戸で取れたので江戸前な感じの天ぷらに仕上げたいが、本格的に調理法を勉強するのは面倒くさい。ので、大事なポイントだけ守って調理。
まずハゼを開いていく。確かこんな感じで開くんでしたよね?松葉おろしでしたっけ?三枚におろしたら小さくなりすぎるんで
が、これがめっちゃ面倒くさい。次第に骨を取るのをやめ・・・もうそのままでいいじゃんということに。
次に衣を作る。卵の白身だけとってかき混ぜる。
薄力粉を入れてよく混ぜる。
水を加えてよくかき混ぜる。
再び薄力粉を加える。フワッフワにしたい場合には多め、サクサクにしたい場合は少なめで。
今度は軽く混ぜてダマが残るくらいにとどめる。完成。
基本ベースはサラダ油でごま油をある程度入れる。
本当は全部ゴマ油を使うのが江戸前天ぷららしいが、勿体無いし。
そもそも我がシェアハウスにそんなこと気にする人はいない。
ちなみに、野菜メインで天ぷらを作る関西に対して、関東では魚介類を天ぷらにすることが多かったため、臭みを消すためにごま油を使う、というのがその趣旨みたいです。
左から素揚げ、衣薄め、衣厚め、松葉おろし。
最初は量の少なさに絶望したが、揚げて盛り付けてみるとそれなりの量がある。
せっかくなんでちょっと食ってみる。
・・・
・・・うん。
やばい。
普通にウメェじゃねぇか!
緊急事態である。
紳士から東京のハゼは泥抜きするもんだという情報から、泥抜きしない東京のハゼはクッソ泥臭いゲテモノだと想像していたが・・・・旨いんすけど!
これじゃ、ただのおっさんたちの晩酌になっちまう!
今思うに、あの紳士は身なりと口調から察するに相当に高貴な人物。彼のところにまわってくるハゼは、漁師により漁獲され、丁寧な泥抜き処理が行われ、高級料理店経由でやってくるモンスターハゼ達。高級料理店に行く金がないから、自分でピンハゼを狩ってタダで高級魚を喰らおうなどという輩とはそもそもカルチャーが違うのかもしれない。
これはマズイぞ・・・なんとかせねば(同居人とのハゼパ開催!)
No Tsuri-ba! No Life!