どうもこんにちはツリーバ編集長のVIVIOです。
前回AREA10について深ボッテみたわけだが世の中には謎のルアーと言うのが実は沢山ある。
所謂プロアングラーと呼ばれる方々によって大手メーカーのルアーたちは発売を前にその存在が周知され、実績も徐々に浸透していく。みなさんの手にそのルアーが届く頃にはすっかり釣れるルアーとして認識されているわけだ。
バス向けルアーなどではトーナメントなどの実績から人気に火が付くこともあるだろう。
しかし先のAREA10などはどうだろうか。
当時の雑誌などではもしかしたら紹介されたりもしたのだろうが、口コミによる口コミでどんどんと広がり今では誰も触れないけど誰もが好きなルアーに君臨している。
売ってないと不安になる。
そんな心の不安定さにまで及ぶほど浸透しきったルアーだ。
そこまでの広がりは見せなかったものの一部の釣り人の間では絶大な信頼があり、シンキングペンシルと言うジャンルがフローティングミノーなみにとっかかり安いものであったならば、もしかしたらAREA10と並ぶ人気ルアーになっていたかもしれないこれまた不運なルアーを今日は深ボッテみようと思う。
ワタシがこのルアーを初めて手に取ったのは恐らく10年以上前のことでワゴンセールで投げ売りされていたものを買った記憶がある。
シーバス氷河期の年だったのもあり大して使わずにそのままルアーケースの奥の奥に何年もずっとしまい込んでいた。
2015年の12月も終わりのころ、なんとなしにルアーケースを漁っているとなんとも懐かしいルアーができた。
その名は、
エリアトッター
もうお気づきだろう。そう、AREA10と同じAREAシリーズのシンキングペンシルだ。年代からしてこれもパブリックルアーズが元々は作り販売していたものと思われる。
と言うか、Gaeaになってから販売されていたのかどうかもはや怪しい。
それぐらい古いルアーだ。
ただ、デザインはダサい。
特にエラあたりのデザインは超絶ダサい。
しかし使ってみないとわからないのがルアーの面白いところだ。
2015年最後の荒川シーバスと称し午前中から夕方にかけて近所のホームポイントで早速トッターを投げてみた。
あれ?こんなにいい泳ぎのルアーだったけ?
思いがけず素晴らしいレンジ、素晴らしい泳ぎ、主にウォブリングなのだがその中に少しローリングが入っているような印象でシンキングペンシルにありがちな尻下がりではなく水平姿勢に近い姿勢で水面直下を安定して泳ぐ。
その姿はまるでボラの子どものよう。
これは間違いなく釣れると確信し、激濁り激下がりの水位の中、水深50センチも無かろうと言った干潟でルアーを引いた。
クソ寒い師走の午前中、しかも赤頭のシンキングペンシルだと言うのに62センチのシーバスが釣れてしまったのだ。
その後も年明けの真っ昼間に73センチのシーバスを引っ張り出すと言うもはや呪われたルアーなのではないかと思えるほどであった。
この日以降、例の神がかったシーズンも手伝ってトッターはボコスカと良型シーバスを釣り上げてくれた。
ただし、上述した通り一部の釣り人の間でしか人気がなく絶版であることからも謎多きルアーと言うことで記事中では「謎のルアー、エリアトッター」として登場している。
AREA10同様に水深の浅い荒川では最強のシンキングペンシルであると断言できる。決め手は流れが無くてもデッドスローで引けるところだ。
シンキングペンシルと言うのは浮き上がりが早く引き波を立てたり水面直下を引けるのが特長ではあるが、止水状態のデッドスローでは思いがけずレンジが下がってしまい油断すると根掛かりの要因となる場合がある。
しかしエリアトッターの場合はそれが無いのだ。
ただしこれまたAREA10同様にレンジや姿勢は良いのだが軽量すぎて飛距離がでない。
シンキングペンシルなのに。
そしてすぐに割れる。
と言う何かを際立たせるために何かを犠牲にしすぎたルアーでもある。
そうした思想はX-80などもそうではあるが、それとはまた違った脆さだ。
パッカリ割れちゃう。
修復とかそう言うレベルではない。
まぁ割れるのはワタシがキワッキワを狙うが故、下手くそなキャストでぶつけてしまうのも理由としては大きいが。
使い込むうちに目が取れ、最終的にはパッカリと割れてしまい失意の中ヤフオクを探したってありゃしない。
中古ルアーの販売を始めた近所のキャスティングでトッターはいねがートッターはいねがーと隈なく探していると、なんとデッドストックのトッターがいるではないか!
色が緑色で超絶気持ち悪いけど。
そしてその日のうちにまたパッカリと割れてしまい、それ以降二度と見かけたことはない。
やはり謎多き、呪われたルアーである。
ただ一度、ポイントで出会った方がツリーバを読んでくださっており、ワタシが大絶賛していたトッターを探し入手したと言う事で見せてくださった。
あぁまさかこんなところで会えるとは。しかもこんなに大切にされて、なんて幸せなトッターなのだお前は。
メディアやプロアングラーの力が及びすぎるシーバス業界にあって良くも悪くもあれだけの個性と違った意味での破壊力を持ったルアーはもう登場することはないのではないか。
またどこかで出会うことがあれば手にしたいルアーである。
100個ぐらいデッドストックないですかね?
それでは今日も、No Tsuri-ba! No Life!