こんにちは!ツリーバライターのイシザキです!
釣り人が幾度となく経験する屈辱…そう、ボウズ。
竿を納め、意気消沈で帰路につく。家に帰ると「なに釣れた?」と空気を読まない同居人たち。
「もうスーパーで買って大漁報告すりゃいいんじゃね?」
今回は、そんな禁術に手を染めたお話である。
前回の記事:【高洲サヨリ】エセ浦安釣法は惨敗。それなら波平戦法しかない!
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エセ浦安釣法は惨敗に終わったが、シェアハウスの同居人に「サヨリを持って帰る」と宣言した手前、手ぶらでは帰れない。
そこで、帰りのバス・電車の中で必死に考え出した戦法が「波平戦法」である。
小さい頃、アニメ「サザエさん」を見ていると、磯野家の大黒柱の波平が釣りに出かけるシーンを何度か見たことがある。
僕が見た回では、波平はボウズに終わり泣く泣く帰宅するのだが・・・・
彼が採った策は魚屋で大っきな魚を購入し、クーラーボックスに入れ、持ち帰るというもの。
これが僕が勝手に言っている「波平戦法」である。
小さい頃は「なぜそこまでして見栄を張らねばならぬのか?」と疑問に思ったものだが、僕もようやく彼の気持ちが推し量れるようになったのだ。
波平が魚を求めに行く先は魚屋だが、今の時代に魚屋などそこらじゅうにあるものではない。
ましてや、僕が帰宅する時間までやっているような魚屋などほぼないだろう。
サザエさんの世界は昭和の時代を前提としているが、今の時代は24時間営業のスーパーのというものがあるのだ。
波平戦法を実践すべく、帰り道にあるスーパーへ。
野菜コーナーを抜け、鮮魚コーナーへ向かいサヨリを探しますが・・・・
サヨリが売ってない!
よく考えてみれば、サヨリをいつ食ったか思い出せない。
下手したら小さい頃釣り上げて以来食べていないかもしれない。
もしかしたら、サヨリは流通しにくい魚なのか・・・
でも、他にこのへんで遅くまでやっている魚屋なんてないし、しゃーない。
そもそも我がシェアハウスにサヨリを知っている人間がいるのか疑問だし
知っていてもサンマとの見分けはつかないだろう。奴らには。ということで、
サンマを購入。
ポイントは購入だけでなく、帰り道でタッパーから出してスーパー臭を消し去ること。
波平が買った魚をクーラーボックスに移しかえたように。
適当な公園のベンチを見つけ、ヘッドライトを装着し、偽装工作へ。
僕は電車釣行で荷物になるのでクーラーは持っていかない。
基本的にはリリースか、食べる際は保冷剤を袋に入れて持って行き、溶けたら買うという非経済的な手段を取っている。
そのため、いつものように袋にサンマを投入。
サンマをサヨリに偽装する際の最大のポイントが次の点である。
クチバシをちょん切る。
サヨリはサンマと異なり、クチバシが細長く出ているので、もしシェアハウス同居人にサヨリを知っている人物がいたら一発でバレる。
クチバシをちょん切っておけば、
「あ、袋破けちゃうし、危ないんでちょん切ったんすよ」
と、できる風釣り人を装えるのだ。
後は袋の中にサンマをいれば偽装は完了。
できるだけカバンの奥底に仕舞い込み、カバンへのもの投入の時系列をずらすことも忘れずに。
あとは持ち帰るだけ。
帰宅。
僕:ただいま~
怠穴:お疲れ~
いたのは穴パイセンとナマケモノ。
穴:今日の釣果は?
僕:いいの釣れましたよ~。なんとサヨリです!
穴:まじか!まじっすか!めっちゃいいじゃん!
僕:でしょ~。Sさん(ナマケモノ)!今日は食っちゃいましょう。
怠:いやだよ。くっさいのやろ。いやだよ。
まったくかまってちゃんのジジイである。本当は食べたいくせに。
もったいぶっても仕方がないので、恐る恐るサヨリことサンマを披露。
僕:どうです!?立派でしょう!なかなか釣れないですよ!
怠:・・・サンマやん。
緊急事態発生である。
ナマケモノは年を食っているだけあって、やはりいろんな魚を知っている。
魚を目にした瞬間に魚種を言い当てるナマケモノと、嘘がバレる恐怖から背筋が凍る。
僕:・・・いやいや、サヨリですよ!クチバシは危ないんで切ってきました!
怠:こんなぶっといサヨリ見た事ないで。サンマやろ。
僕:いやいや、サヨリって大きくなるとサンマに似てくるらしいですよ。なかなか出回らないらしいですしね!地元のジジイに聞いたんで間違いないです!
怠:・・・へぇ~そうなんや。
・・・・
ん~、危ない危ない。なんとかゴマカせたが、さすがにナマケモノは警戒心が強い。
時間も遅いし調理がめんどくさいので、シンプルに塩焼きにする。
が、ここでまたもや緊急事態。
臭い、完全にサンマじゃん。
まさに秋の庭で七輪をパタパタしている情景が浮かびそうなサンマ臭が漂う。
完全に盲点だったので焦って換気扇のスイッチを入れますが・・・嗅ぎつけたのは穴パイセン。
穴:匂いもサンマそっくりっすね。
僕:・・・そうなんすよ~、大きくなると似るみたいで!でもサヨリの方が脂乗ってて美味とされてるんですよ~
穴:へ~
ナマケモノより軽めのツッコミをいれる穴をユルりとかわし、サヨリの塩焼きをサクッと完成させた。
あの、
一点の迷いもなくサンマなんですけど。
小さい頃から食べ続けてきたせいなのか、視覚的なサン感がハンパない。
もうサンマに見えて仕方がないが、一応美味しそうに仕上がった。
この日は朝から何も食べておらず、腹がペコペコだった。
それもあって、真っ先に2切れ、毒味役に立候補。
んー、なんでしょう…見た目、香り、風味・・・
・・・・
サンマだよ。
緊急事態である。この魚はサンマである。
嗅覚、視覚、味覚、あらゆる点でのサンマ感。
生まれてから何匹サンマを食べたか知らないが、サンマをサンマじゃないものとして食べたのは初めて。
今回の実食で思い知ったのはサンマの個性の強さである。
同居Hと忠犬も帰ってきたので一緒にサヨリを食らう。
怠:・・・サンマやん。
穴:サンマですね。
犬:サヨリ食ったことないけど・・・これはサンマっすね。
H:スーパーで買ってきたんじゃん?(笑)
・・・・
同意する。もろサンマだよね。
もう包み隠しようがない。これはサンマである。
ちなみにHは、僕の持って帰った食材にウナギポイ事件以来手をつけない。黙って食やいいものを余計な一言を残していくのがHなのである。
結局、僕の勘違いでサンマを釣り上げたということでその場はおさまったのだが・・・。
波平戦法の反省点としては、やるなら徹底的に!というところだろうか。サヨリをサンマで偽装しようと考えた時、もっと言えばサヨリを偽装しようと思いたった時から波平戦法の敗北は決まっていたのかもしれない。
皆さんも、実践する際は参考に。
てゆうか素直にボウス申告しましょう。
No Tsuri-ba No Life!