こんにちは。イシザキです!

最近あまり読書できていません。
いくつになっても知識欲だけは持っていたものだとは思うのですが、なかなかね…

そこで、趣味の一つである釣りについて、一冊本を読んでみっか!となったのですが、思い出した出来事があります。

もはや大昔の高校生時分、特に目的もなく南へ向かったことがあります。

暖かいところに行きたい。

ツバメのような本能が叫ぶときってありますよね。

故郷島根から電車に乗りこみ、壇之浦を渡って九州へ入る。
小倉だったか博多だったか、そこから南へ南へ。

ミカン畑が目立つようになってきて、木々ははヤシの実がなっていそうな南国風。

あぁ、とうとう南へ来たんだな。

そう感じたのが宮崎県でした。

さぁ、子づくりでもすっぞ!

なんてわけにもいかず。偶然入った飲食店で薦められた青島へ向かいました。

青島を観たあとは「鬼の洗濯岩」なる独特の海岸を眺めながら鵜戸神宮へ。

歩いて。

ちょっとした達成感を味わいたくて。
何時間か歩いて疲れ果て、甘味料たっぷりの炭酸ジュースを一気飲み。
日向灘に面したとある漁港で、干からびたトドのように寝転がっていました。

すると、やや離れた場所で釣りをしていたご老人に声をかけられたんです。

汚ねぇジジィだな。

偽らざる第一印象。

70~80歳くらい、アロハシャツみたいなワイシャツに日焼け倒した白長靴を身に着け、ぼさぼさの白髭には昼に食べたと思われるカレーが付着している。

今思うと、どこのオッサンが立ちションしたかわからん、鳥糞だらけの漁港で寝転がっている奴の方が百べぇ汚ねぇわけですが。

睡眠を妨げられ、やや気分を害されたわけだが、このジジィ、いい人なんです。
釣りの話で盛り上がり、なんと鵜戸神社まで車で送ってくれるという。
さらには病んでいる心臓を時折押さえながらも、山を登った先にある鵜戸神宮まで案内してという天使ぶり。

なんて清らかで汚いじじぃなんだ。

笑顔で親指を突き立てる外国人を無感情に無視する成人になってしまった僕にとっては、神々しく思えるほどに。

本題はこのおじい様に宮崎駅へ送ってもらう道中です。

宮崎っていいっすねーなんていう他愛もない会話も尽きたので、暇つぶしに車内を観察していると、ダッシュボード上にただならぬ気配を放つ物体があるのに気が付きました。

許しを得て手に取ってみると、その物体は一枚一枚和紙で作られ、糊ではなく紐で綴じられている書物のよう。

手垢で表紙が変色し、1ページ1ページに使い古した手ぬぐいのような存在感。

ONLY ONE

学校の教科書とは違う、唯一無二の何かがある!
直観的にそう思い、興味深々で一ページ目から順にめくっていく。いくんですが…

ぺらぺらぺら・・・パタン。

読めねぇじゃねぇか!

題名はもはや覚えていないが漢字3文字か4文字くらい。
ひらがなというものが一切ない、漢字カタカナ交じり文。
当時、学校では古典学習の無意義説を唱えていたこともあって、一瞬で嫌気がさしてしまいました。

昭和の初め、もしかしたら大正生まれかもしれない彼だからこそ読める書物だろう。我々が読む書物ではない。

そう納得し、数十秒読むふりをして本を閉じる。

この本、なんか分かんないけどスゴいですね。何の本なんですか?

大して興味もなかったし、聞いたところで読もうとも思わないわけだが、嘘でも興味を示すのが仁義というもの。内容はほぼ覚えていないが、彼が開口一番に放った言葉だけはしっかり覚えている。

日本で一番古い釣りの本なんや!

的な…

前置きの後の前置きが終わり、いよいよ本題の本題です。

「日本で一番古い釣りの本」って、なんじゃいっ!?

ということですが、一般的には、

何羨録

という本が日本最古の釣り本とのことです。カセンロクと読みます。

詳細はひとまず置いておいて、問題はジジィが言っていた「日本で一番古い釣りの本」とはこの何羨録のことなのか。

実のところ今でも分かりません。

そもそも何をもって「日本で一番古い」と豪語していたのか?
もしかして、あの爺さんの家にだけ伝わる虎の巻なのか?!

可能性を考えるとき、もう迷路。

あの漁港に行けばあの爺さんは変わらず釣りを続けているだろうか。
宮崎の爺さんに電話したら教えてくれるだろうか?
あの本の正体を直接聞いてみたい!
会いたい!あの清らかで汚いジジィに!

一期一会なんてカッコつけ、名前すら聞かずに別れ、十数年後に後悔するシマツ。出会いは大切にしないといけませんね。

ジジィを探し出す気力もないわけで、一般的な「日本で一番古い釣りの本」である何羨録を手に入れてみようと思います。

どんな秘伝情報が載っているのか?
どんな人が書いたのか?
何があのジジィをあそこまで惹きつけたのか。気になるところ。

ということで、あの街にカセンロクを探しに行ってきました!

長くなったのでまた。

No Tsuri-Ba! No Life!

https://tsuri-ba.net/wp-content/uploads/2019/05/i002_thumb-1.jpghttps://tsuri-ba.net/wp-content/uploads/2019/05/i002_thumb-1-150x150.jpgいしぽよ釣りTALKカセンロク,何羨録,宮崎,釣りの本こんにちは。イシザキです! 最近あまり読書できていません。 いくつになっても知識欲だけは持っていたものだとは思うのですが、なかなかね... そこで、趣味の一つである釣りについて、一冊本を読んでみっか!となったのですが、思い出した出来事があります。 もはや大昔の高校生時分、特に目的もなく南へ向かったことがあります。 暖かいところに行きたい。 ツバメのような本能が叫ぶときってありますよね。 故郷島根から電車に乗りこみ、壇之浦を渡って九州へ入る。 小倉だったか博多だったか、そこから南へ南へ。 ミカン畑が目立つようになってきて、木々ははヤシの実がなっていそうな南国風。 あぁ、とうとう南へ来たんだな。 そう感じたのが宮崎県でした。 さぁ、子づくりでもすっぞ! なんてわけにもいかず。偶然入った飲食店で薦められた青島へ向かいました。 青島を観たあとは「鬼の洗濯岩」なる独特の海岸を眺めながら鵜戸神宮へ。 歩いて。 ちょっとした達成感を味わいたくて。 何時間か歩いて疲れ果て、甘味料たっぷりの炭酸ジュースを一気飲み。 日向灘に面したとある漁港で、干からびたトドのように寝転がっていました。 すると、やや離れた場所で釣りをしていたご老人に声をかけられたんです。 汚ねぇジジィだな。 偽らざる第一印象。 70~80歳くらい、アロハシャツみたいなワイシャツに日焼け倒した白長靴を身に着け、ぼさぼさの白髭には昼に食べたと思われるカレーが付着している。 今思うと、どこのオッサンが立ちションしたかわからん、鳥糞だらけの漁港で寝転がっている奴の方が百べぇ汚ねぇわけですが。 睡眠を妨げられ、やや気分を害されたわけだが、このジジィ、いい人なんです。 釣りの話で盛り上がり、なんと鵜戸神社まで車で送ってくれるという。 さらには病んでいる心臓を時折押さえながらも、山を登った先にある鵜戸神宮まで案内してという天使ぶり。 なんて清らかで汚いじじぃなんだ。 笑顔で親指を突き立てる外国人を無感情に無視する成人になってしまった僕にとっては、神々しく思えるほどに。 本題はこのおじい様に宮崎駅へ送ってもらう道中です。 宮崎っていいっすねーなんていう他愛もない会話も尽きたので、暇つぶしに車内を観察していると、ダッシュボード上にただならぬ気配を放つ物体があるのに気が付きました。 許しを得て手に取ってみると、その物体は一枚一枚和紙で作られ、糊ではなく紐で綴じられている書物のよう。 手垢で表紙が変色し、1ページ1ページに使い古した手ぬぐいのような存在感。 ONLY ONE 学校の教科書とは違う、唯一無二の何かがある! 直観的にそう思い、興味深々で一ページ目から順にめくっていく。いくんですが... ぺらぺらぺら・・・パタン。 読めねぇじゃねぇか! 題名はもはや覚えていないが漢字3文字か4文字くらい。 ひらがなというものが一切ない、漢字カタカナ交じり文。 当時、学校では古典学習の無意義説を唱えていたこともあって、一瞬で嫌気がさしてしまいました。 昭和の初め、もしかしたら大正生まれかもしれない彼だからこそ読める書物だろう。我々が読む書物ではない。 そう納得し、数十秒読むふりをして本を閉じる。 この本、なんか分かんないけどスゴいですね。何の本なんですか? 大して興味もなかったし、聞いたところで読もうとも思わないわけだが、嘘でも興味を示すのが仁義というもの。内容はほぼ覚えていないが、彼が開口一番に放った言葉だけはしっかり覚えている。 日本で一番古い釣りの本なんや! 的な... 前置きの後の前置きが終わり、いよいよ本題の本題です。 「日本で一番古い釣りの本」って、なんじゃいっ!? ということですが、一般的には、 何羨録 という本が日本最古の釣り本とのことです。カセンロクと読みます。 詳細はひとまず置いておいて、問題はジジィが言っていた「日本で一番古い釣りの本」とはこの何羨録のことなのか。 実のところ今でも分かりません。 そもそも何をもって「日本で一番古い」と豪語していたのか? もしかして、あの爺さんの家にだけ伝わる虎の巻なのか?! 可能性を考えるとき、もう迷路。 あの漁港に行けばあの爺さんは変わらず釣りを続けているだろうか。 宮崎の爺さんに電話したら教えてくれるだろうか? あの本の正体を直接聞いてみたい! 会いたい!あの清らかで汚いジジィに! 一期一会なんてカッコつけ、名前すら聞かずに別れ、十数年後に後悔するシマツ。出会いは大切にしないといけませんね。 ジジィを探し出す気力もないわけで、一般的な「日本で一番古い釣りの本」である何羨録を手に入れてみようと思います。 どんな秘伝情報が載っているのか? どんな人が書いたのか? 何があのジジィをあそこまで惹きつけたのか。気になるところ。 ということで、あの街にカセンロクを探しに行ってきました! 長くなったのでまた。 No Tsuri-Ba! No Life!手は震え、動悸も止まらない釣りWebフリーマガジン