どうもこんにちは!ツリーバ編集長のヒビヤです。

とうとう本格的な冬が到来ですね。釣り人にとっては厳しい季節となってきましたが、みなさんの釣りライフ、楽しんでますか?

さて、今日は新橋サラリーマンオヤジXの第3夜目のお話です。今日こそ釣れるのか!?オヤジX!

11月某日、19時。今日は早退する事もなく定時で仕事を終えたオヤジXと荒川河川敷に直接集合する事になった。

特別な理由は無いが、わざわざ近い駅で待ち合わせする事もないだろうとの判断からだ。

相変わらずヨレヨレのスーツにコートなどの防寒は無し。でもヘッドライトは装着している変態オヤジX。足下はもちろん革靴だが気にせずヌルヌルの足場に足を置く。

僕は滑らないようにフェルトスパイクのブーツだ。

すっかり暗くなった河川敷からはスカイツリーのグルグルと回り光りが鮮明に見える。ここが間違いなく下町の河川敷である事を思い出させてくれる。

河口域に比べればシーバスを釣る上では不利かもしれないが、オヤジXの通勤道中にあるポイントなのだから狙わない理由はない。

そして気持ち悪いキャストで始まった第一投。アタリはない。

なんとなくだが、魚の活性も低い気がする。ざわつき感が無いのだ。イナッコの群れもいるのかいないのか、ザワザワ感がない。

とは言え、そんな状況でもシーバスが出る事はよくあること。ここはひとつ期待感を込めてのキャストをしていくしかない。

キャストからリトリーブに切りかわった瞬間からルアーが足下に戻ってくるまで、わずかな時間だが期待から期待はずれまでその短い間に何度も繰り返す。

こんなに気持ちの起伏が短時間に何度も繰り返す事は釣りでもしない限りなかなかないのではないか。もしかするとギャンブルに似ているのかもしれない。

しばらくオヤジXのキャストを見ていると、後ろから突然「ハッハッハッハッハッ」と聞こえ焦って振り向くと、大型犬を散歩させている初老の姿が。ビビった。マジビビった。

しかしオヤジXは釣りに集中している。さすがはエンジニアの集中力である。

まったくアタリが無いので、少し移動をするがそこも期待感とは裏腹にアタリはまったくない。

時間だけが過ぎて行く。

21時がオヤジXの今日のタイムリミット。

それまでになんとか釣り上げてほしい。釣り上げてもらわないとツリーバの記事にならないのだ。

そんな思いもむなしく、残念ながらタイムリミットとなってしまった。

はぁ、と溜息をつくといさぎよくタックルを片付けるオヤジX。僕はいさぎわるいので毎回最後の一投と決めながら50投ぐらいしてしまう。みなさん覚えはないだろうか。

駅までトボトボと歩くオヤジX。リズムを合わせて隣を歩く僕。

オヤジXがボソボソと話しはじめた。

「釣りしたくて釣りしたくて、今日は釣れる、今日は釣れるってワクワクしながら会社でるワケ」

「でもね、今日みたいに釣れない事がほとんどなワケ」

「でもね、やめられないんだよね。」

「釣れないから、次こそ、次こそ、って。ギャンブルにはまる人ってもしかしたら凄い釣りできるかもしれないよね。」

「ヒビヤくんはさ、なんで釣り好きなの?」

この質問に僕は何も答えられなかった。なんでだろう。なんで釣りが好きなんだろう。手応え?やりとり?

わからない。なんでだろう。これに説得力のある答えが出せる人がプロなのかもしれない。

そしてオヤジXは後ろ手に手を振って改札へと消えていった。

明日は軌跡を起こしてくれるのか!?オヤジX!

次回第4夜、オヤジXがやってくれるのか!?お楽しみに!

それでは今日もも、No Tsuri-ba! No Life!

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https://tsuri-ba.net/wp-content/uploads/2014/12/IMG_2748.jpghttps://tsuri-ba.net/wp-content/uploads/2014/12/IMG_2748-300x300.jpgtsuri-ba荒川のシーバスフィッシングシーバス,新橋,荒川どうもこんにちは!ツリーバ編集長のヒビヤです。 とうとう本格的な冬が到来ですね。釣り人にとっては厳しい季節となってきましたが、みなさんの釣りライフ、楽しんでますか? さて、今日は新橋サラリーマンオヤジXの第3夜目のお話です。今日こそ釣れるのか!?オヤジX! 11月某日、19時。今日は早退する事もなく定時で仕事を終えたオヤジXと荒川河川敷に直接集合する事になった。 特別な理由は無いが、わざわざ近い駅で待ち合わせする事もないだろうとの判断からだ。 相変わらずヨレヨレのスーツにコートなどの防寒は無し。でもヘッドライトは装着している変態オヤジX。足下はもちろん革靴だが気にせずヌルヌルの足場に足を置く。 僕は滑らないようにフェルトスパイクのブーツだ。 すっかり暗くなった河川敷からはスカイツリーのグルグルと回り光りが鮮明に見える。ここが間違いなく下町の河川敷である事を思い出させてくれる。 河口域に比べればシーバスを釣る上では不利かもしれないが、オヤジXの通勤道中にあるポイントなのだから狙わない理由はない。 そして気持ち悪いキャストで始まった第一投。アタリはない。 なんとなくだが、魚の活性も低い気がする。ざわつき感が無いのだ。イナッコの群れもいるのかいないのか、ザワザワ感がない。 とは言え、そんな状況でもシーバスが出る事はよくあること。ここはひとつ期待感を込めてのキャストをしていくしかない。 キャストからリトリーブに切りかわった瞬間からルアーが足下に戻ってくるまで、わずかな時間だが期待から期待はずれまでその短い間に何度も繰り返す。 こんなに気持ちの起伏が短時間に何度も繰り返す事は釣りでもしない限りなかなかないのではないか。もしかするとギャンブルに似ているのかもしれない。 しばらくオヤジXのキャストを見ていると、後ろから突然「ハッハッハッハッハッ」と聞こえ焦って振り向くと、大型犬を散歩させている初老の姿が。ビビった。マジビビった。 しかしオヤジXは釣りに集中している。さすがはエンジニアの集中力である。 まったくアタリが無いので、少し移動をするがそこも期待感とは裏腹にアタリはまったくない。 時間だけが過ぎて行く。 21時がオヤジXの今日のタイムリミット。 それまでになんとか釣り上げてほしい。釣り上げてもらわないとツリーバの記事にならないのだ。 そんな思いもむなしく、残念ながらタイムリミットとなってしまった。 はぁ、と溜息をつくといさぎよくタックルを片付けるオヤジX。僕はいさぎわるいので毎回最後の一投と決めながら50投ぐらいしてしまう。みなさん覚えはないだろうか。 駅までトボトボと歩くオヤジX。リズムを合わせて隣を歩く僕。 オヤジXがボソボソと話しはじめた。 「釣りしたくて釣りしたくて、今日は釣れる、今日は釣れるってワクワクしながら会社でるワケ」 「でもね、今日みたいに釣れない事がほとんどなワケ」 「でもね、やめられないんだよね。」 「釣れないから、次こそ、次こそ、って。ギャンブルにはまる人ってもしかしたら凄い釣りできるかもしれないよね。」 「ヒビヤくんはさ、なんで釣り好きなの?」 この質問に僕は何も答えられなかった。なんでだろう。なんで釣りが好きなんだろう。手応え?やりとり? わからない。なんでだろう。これに説得力のある答えが出せる人がプロなのかもしれない。 そしてオヤジXは後ろ手に手を振って改札へと消えていった。 明日は軌跡を起こしてくれるのか!?オヤジX! 次回第4夜、オヤジXがやってくれるのか!?お楽しみに! それでは今日もも、No Tsuri-ba! No Life!手は震え、動悸も止まらない釣りWebフリーマガジン