どうもこんにちは!ツリーバ船長の沈没亀太郎です。

以前より記事でお伝えしていた通り、いよいよヤマハシースタイルのレンタル艇に乗って釣りをしてきたのでその時の様子をお伝えしよう!

改めてヤマハシースタイルとは?と言うことをおさらいしてみると、つまりは月額会員の船シェアリングである。

カーシェアリング同様、拠点があちこちにあって会員であれば旅先などでも気軽にレンタルして船に乗ることができるのがヤマハシースタイルの特徴だ。

ただ車と違うのは海や河川と言う特殊な状況のため、ほとんどのマリーナで初回のレンタルのみ安全レクチャーと言う講習を受講しなくてはならない。

マリーナによっては希望者のみであったり、無料、有料と色々なので事前に調べる必要がある。

しかしだ、日本全国140箇所、海外2カ国に拠点があるのは例え初回の講習を受けたとしてもやはり魅力的ではないだろうか。

レンタル料金も国内であれば統一されているのでわかりやすい。

気になる月額は3300円、これに都度レンタル代がかかるわけだが一番安いベイフィッシャーを平日の半日(午前か午後の3時間)借りた場合は4500円(燃料代別)と超絶おトクなのだ。

マリーナによってまちまちだとは思うが返却時の洗艇が不要であったり、離着岸のサポートがあったり、飲み物冷却クーラーボックス、多少の釣り具レンタルが無料であったりと至れり尽くせり。所有するワケではないのでメンテンスの手間や出費もない。

買い物などで突発的に乗る車とは違い、用途がレジャーに限定されるため、特に東京では船を所有するメリットがあまりない。などと言うと今の車離れのようだが、仮に所有したとしても基本的には航行範囲が限定され好き勝手にどこでも行けるわけではなく、逆に旅先で乗ることで解決できるのであれば非常に理にかなったものではないだろうか。と、個人的には考えている。

いつかは憧れのマイボートを持ちたいものだが。

ヤマハシースタイルを利用するにはメインとなるホームマリーナをひとつ決めておく、と言うか2回目利用からは講習が不要になるため決めざるを得ないと思うのだが、ワタシは自宅からも割と近い「ニューポート江戸川」さんをホームマリーナに決めた。

ニューポート江戸川のwebサイトはこちら

レストランも評判が良いので次回は利用してみたいと思う。

12月14日、天候にも恵まれ気温も15~16度の予報。船に乗るには最高の気候だ。

安全レクチャーは9時から開始となっており10分前には到着する必要がある。師走で渋滞などもあるかもしれないので早め、7時30分に自宅を車で出発し見慣れた荒川の土手にぶつかったところであることに思いついた。

必須持ち物の携帯を忘れた!

マジか。。。

焦って事故を起こしては元も子もないので落ち着いて、なんならむしろゆっくりと引き返しiPhoneをポケットに入れると再出発だ。

タイムロスであることには変わりない。気になるのは到着時間だ。道はわかるがナビを引いてみるとちょうど10分前には到着できそうである。

ポカポカの船上でボーッとしながら食べるお昼ご飯をコンビニで買って行こうと思っていたのだが、その余裕は無いかもしれない。

もういい!

昼飯なんぞいらぬ!

日本人的なのかもしれないが、何か教わる時の遅刻と言うのがワタシは大嫌いなのだ。もちろん遊びの待ち合わせであってもコーヒーを飲むぐらいの余裕を持っていないと落ち着かない。

妙見島と言う都内唯一の自然島に位置するニューポート江戸川に無事到着しフロントで受付を済ませると休憩スペースに案内されそこでシースタイルのレクチャービデオの視聴、その後周辺ローカルルールや危険箇所の座学、実際に操船しながらの説明を受けた。

約2時間ほどの講習である。

旧江戸川河口部と言うのはご存じの方もいらっしゃると思うが、ウェーディングポイントとしても有名でそれができるほどに浅いのだ。つまり、どこを通るべきか把握をしていないと船外機を壊してしまうだけではなく乗り上げ事故にも繋がってしまう。

ニューポート江戸川から沖へ出るには必ず通らなくてはならない大人の階段である。

安全レクチャーなくして単独航行はまず不可能だ。

安全レクチャーが終わるといよいよ今回の相棒、ヤマハSR-Xでの単独出港。

予報通り天気はこの上ない晴天。風も微風で暑さすら感じるほどである。

離岸もスタッフの方が開らんし、船を押し出してから「いいですよ~」と声をかけてくれるのでそこからスロットルオン。浦安へと転回し微速前進。

船宿の船が旧江戸川沿いにズラっとならんでおり、引き波を立てないように航行しなくてはならない。

しばらくするとディズニラーンドの建物が見えてくる。このあたりからエンジンの回転を上げ滑走に入って行く。

ズゴー!

き、気持ちいい♪

気持ちよさを感じたのもつかの間。最初の難関が待っている。

工事中のシンデレラ城を目標に左岸に立つ杭まで突っ込んでいく。目の前は釣り人が立つ河川敷である。

本当に大丈夫かよ?

このままだと映画みたいに空中を飛んで倉庫に突っ込むようなことになるんじゃねーの?

と思い始めたところで右に転進。船体がオートバイのように急激にバンクする。

ズゴー!

き、気持ちいい♪

見た目の感覚よりもずっと奥で転進するのがコツだ。ここは早めに転進してしまうと浅場に乗り上げてしまうのだ。

次の難関は旧江戸川を渡る湾岸道路の橋だ。

一見するとどこでも通れそうに見えるのだが実際に通れるのは向かって左から2番目と3番目の橋脚の間のみ。それ以外は絶対に通ってはいけない。

無事に通過しホッとしたのもつかの間、今度は水深2メートルを切るような葛西臨海公園の横を通らなくてはならない。

公園内を抜ける水路の入り口に浮いた緑色の浮標を目標に突っ込んで行く。するとその左側に竹の棒が突っ立っているのでその横を船2隻分ほど開けて通過する。

魚探を見ると水深1メートルちょっと!?

え!?

怖いよ怖いよ怖いよ怖いよ怖いよ怖いよ怖いよ怖いよ怖いよ怖いよ

特に擦るような感触もなく無事に通過し黄色い浮標と浦安の堤防角の中心を目標に航行する。

ここでも三枚州と言う浅瀬があるので注意は必要であるがわかりやすい目印があり割と明確なので少しホッとする。

何か大冒険の後の達成感のようなものを感じながらグッとハンドルを左に切り、船体がバンクするのを感じながらディズニーシー沖へと出る。

ディズニシーでキャッキャウフフ♪と楽しんでいる諸兄たちよ。どうだ。これが海から見るコロンビア号だぞ♪

なんならタワーオブテラーだって見える。

実はこの景色は初めてではなく船舶免許の実技もここだったのだ。そんなに前の事ではないのだが、とても懐かしい感じがする。

ここまで来たなら次は釣りだ!釣りをさせろ!

魚探で魚を探しながらウロウロとすると時折大きな群れが画面に表示され、これは!と船を止めてすかさずルアーをキャストする。

シーバスか、運が良ければ青物か、そのあたりの魚であればすぐにアタリが出そうなものだが一向に反応はない。

粘らずにあちこち移動しながらキャストを続けるが、やはり反応はない。

いつもの荒川と同じかよ!

まぁそう焦るなと自分を言い聞かせるが釣りよりも何よりもとにかく操船したくて仕方が無い。

ちょっくらゲートブリッジの向こうへ行って葛西臨海公園の水路を通って一周してくるか。

と走り出したは良いものの、このあとに起きる絶望をまだこの時は知る由もなかった。

上述した三枚州と言うのは実は広大でそれを囲うように注意を促す大きな目印が立っているのだが、その間隔が広く見落として転進してしまうと乗り上げてしまう恐れがある。そのぐらい広い間隔での目印のためこれは実際に目で見て頭と体に叩き込むしか無い。

これらを覚えつつ、横目に若洲沖を抜けゲートブリッジを潜る。

このままお台場方面へ抜けるもよし、羽田方面へ抜けるもよし。なのだが今回はどこかで転回して戻るつもりでのんびりと航行する。

すると前方に巨大なフェリーが。。。

転進してこちらへと船首を向けるのが見える。そう、ここは大型船も通る東京東航路だ。

来るよ来るよ来るよ怖いよ怖いよ怖いよ怖いよ

航路を外れて航行しているため問題はないのだが、あまりの巨大さが不気味である。こう言う時に巨大建造物恐怖症が出るのは克服せねばなるまい。

恐怖に勝てずこれをきっかけに転回し一路荒川河口へと向う。葛西臨海公園の水路を1200回転ぐらいで徐行し再び浦安沖へと出る。

凄い風としぶき。。。

ズシャー!ザパパパパパパパ!

キャップが飛ばされそうになり取りあえず一旦広いディズニシー沖へと出てニットにかぶり替える。

メンヘラー女子よろしくものの30分ほどで天気急変である。

「山の天気と女の心は」に海の天気も追加していただきたい。

東京湾奥は南風にとにかく弱いのだ。これが吹いてしまうと釣りどころではない。そうなればもちろん船どころではない。慣れている方であればなんでもないかもしれないが、初心者には少々厳しい。

それでもさすがヤマハさんのボート。とても安定していて不安感はない。ただただ風としぶきが辛いだけだ。

そして寒い!

イージスオーシャン着てても寒い!

オートバイの1.5割マシと言ったところか。

時計を見ると時間はまだまだある。16時の帰港時間を鑑みた場合、旧江戸川河口周辺に15時30分にいれば問題がない。とするとあと2時間はある。

さて、どうするか。

本来であればこうした行き当たりばったりよりはコースを予め決めておくべきなのだが、まずはとにかく操船に慣れたいと言うところで今度は葛西臨海公園の水路を逆方向、つまり荒川河口へと向かいそこから遡上していくことにした。

ある程度のところで転回すれば早めの帰港ができるはずである。

さぁ、夢の荒川遡上。

荒川ラプソティ!

いつも車で通る荒川大橋を抜ける。すると右岸で工事をしており警戒船が白旗を振っている。これは行って良し!の合図だ。

ただ、ワタシは荒川の中央付近を航行しており工事現場まではかなりの距離がある。果たして徐行する必要があるかどうかわからないが、念のため引き波を立てないよう徐行して工事現場を通過する。

インストラクターに教わった通り、橋のどこを通るべきかわからない場合は橋の名前が書いてあるところを通る。そこが一番深いからだ。

後ろを振り向くと後続船がやけに右岸より、つまりワタシが通ったラインとは橋脚の隙間一つ分右岸よりを航行している。

おっかしいなぁ

ふと魚探をみる。

水深1.8メートル!!!!!!!!

これはあかんやつや!

喫水が浅いのでまだゆとりはあるがこの先どうなっているのかわからない。

後続船を先に行かせると後を追うように同じラインを航行する。これでひと安心だがいつまでも着いていくわけにも行かぬので頃合いを見て転回し、荒川大橋へとふたたび戻ることにした。

荒川を航行する際に航行ルールや水深のわかる地図アプリがあるのを思い出した。しかしAndroid版しかリリースされておらずiPhoneではPDFを見るしか無いので次回は予習しつつiPhoneにファイルを入れていくのが良いだろう。

荒川航行アプリはこちら

荒川通航ガイド、東京低地河川ナビゲーションマップはこちら

荒川大橋を潜ると強風に水しぶき、ザッパンザッパンである。

これはもう運河以外は無理!

残り1時間半と微妙すぎるためこのまま葛西臨海公園の水路を通り帰港することにした。

堀江ドックの対岸に船を寄せそこでフェンダーや係留ロープの準備を整え、浦安橋の下でマリーナへ帰港の連絡をする。

こうすることでスタッフの方が桟橋で待機してくれて、船を近づければあとは係留、後片付けをぜんぶやってくれるのだ。

至れり尽くせり!

下船するとスタッフの方が給油してくれるので、使った分の燃料代とレンタル代を支払い完了である。

ものすごーく楽しかった!

釣れなかったけど。

今が一番楽しいとき、だとは思うのだが、釣れなくても楽しいとはまさにこう言うことを言うのではないだろうか。

さぁ、次はいつ船に乗ろうか。

編集長とアーバンクルージングしたい女性募集中!
※20代だと尚可

それでは今日も、No Tsuri-ba! No Life!

https://tsuri-ba.net/wp-content/uploads/2019/12/captain14.jpghttps://tsuri-ba.net/wp-content/uploads/2019/12/captain14-150x150.jpgtsuri-ba小型船舶SR-X,ニューポート江戸川,ヤマハシースタイル,小型船舶,航行ルール,荒川どうもこんにちは!ツリーバ船長の沈没亀太郎です。 以前より記事でお伝えしていた通り、いよいよヤマハシースタイルのレンタル艇に乗って釣りをしてきたのでその時の様子をお伝えしよう! 改めてヤマハシースタイルとは?と言うことをおさらいしてみると、つまりは月額会員の船シェアリングである。 カーシェアリング同様、拠点があちこちにあって会員であれば旅先などでも気軽にレンタルして船に乗ることができるのがヤマハシースタイルの特徴だ。 ただ車と違うのは海や河川と言う特殊な状況のため、ほとんどのマリーナで初回のレンタルのみ安全レクチャーと言う講習を受講しなくてはならない。 マリーナによっては希望者のみであったり、無料、有料と色々なので事前に調べる必要がある。 しかしだ、日本全国140箇所、海外2カ国に拠点があるのは例え初回の講習を受けたとしてもやはり魅力的ではないだろうか。 レンタル料金も国内であれば統一されているのでわかりやすい。 気になる月額は3300円、これに都度レンタル代がかかるわけだが一番安いベイフィッシャーを平日の半日(午前か午後の3時間)借りた場合は4500円(燃料代別)と超絶おトクなのだ。 マリーナによってまちまちだとは思うが返却時の洗艇が不要であったり、離着岸のサポートがあったり、飲み物冷却クーラーボックス、多少の釣り具レンタルが無料であったりと至れり尽くせり。所有するワケではないのでメンテンスの手間や出費もない。 買い物などで突発的に乗る車とは違い、用途がレジャーに限定されるため、特に東京では船を所有するメリットがあまりない。などと言うと今の車離れのようだが、仮に所有したとしても基本的には航行範囲が限定され好き勝手にどこでも行けるわけではなく、逆に旅先で乗ることで解決できるのであれば非常に理にかなったものではないだろうか。と、個人的には考えている。 いつかは憧れのマイボートを持ちたいものだが。 ヤマハシースタイルを利用するにはメインとなるホームマリーナをひとつ決めておく、と言うか2回目利用からは講習が不要になるため決めざるを得ないと思うのだが、ワタシは自宅からも割と近い「ニューポート江戸川」さんをホームマリーナに決めた。 ニューポート江戸川のwebサイトはこちら レストランも評判が良いので次回は利用してみたいと思う。 12月14日、天候にも恵まれ気温も15~16度の予報。船に乗るには最高の気候だ。 安全レクチャーは9時から開始となっており10分前には到着する必要がある。師走で渋滞などもあるかもしれないので早め、7時30分に自宅を車で出発し見慣れた荒川の土手にぶつかったところであることに思いついた。 必須持ち物の携帯を忘れた! マジか。。。 焦って事故を起こしては元も子もないので落ち着いて、なんならむしろゆっくりと引き返しiPhoneをポケットに入れると再出発だ。 タイムロスであることには変わりない。気になるのは到着時間だ。道はわかるがナビを引いてみるとちょうど10分前には到着できそうである。 ポカポカの船上でボーッとしながら食べるお昼ご飯をコンビニで買って行こうと思っていたのだが、その余裕は無いかもしれない。 もういい! 昼飯なんぞいらぬ! 日本人的なのかもしれないが、何か教わる時の遅刻と言うのがワタシは大嫌いなのだ。もちろん遊びの待ち合わせであってもコーヒーを飲むぐらいの余裕を持っていないと落ち着かない。 妙見島と言う都内唯一の自然島に位置するニューポート江戸川に無事到着しフロントで受付を済ませると休憩スペースに案内されそこでシースタイルのレクチャービデオの視聴、その後周辺ローカルルールや危険箇所の座学、実際に操船しながらの説明を受けた。 約2時間ほどの講習である。 旧江戸川河口部と言うのはご存じの方もいらっしゃると思うが、ウェーディングポイントとしても有名でそれができるほどに浅いのだ。つまり、どこを通るべきか把握をしていないと船外機を壊してしまうだけではなく乗り上げ事故にも繋がってしまう。 ニューポート江戸川から沖へ出るには必ず通らなくてはならない大人の階段である。 安全レクチャーなくして単独航行はまず不可能だ。 安全レクチャーが終わるといよいよ今回の相棒、ヤマハSR-Xでの単独出港。 予報通り天気はこの上ない晴天。風も微風で暑さすら感じるほどである。 離岸もスタッフの方が開らんし、船を押し出してから「いいですよ~」と声をかけてくれるのでそこからスロットルオン。浦安へと転回し微速前進。 船宿の船が旧江戸川沿いにズラっとならんでおり、引き波を立てないように航行しなくてはならない。 しばらくするとディズニラーンドの建物が見えてくる。このあたりからエンジンの回転を上げ滑走に入って行く。 ズゴー! き、気持ちいい♪ 気持ちよさを感じたのもつかの間。最初の難関が待っている。 工事中のシンデレラ城を目標に左岸に立つ杭まで突っ込んでいく。目の前は釣り人が立つ河川敷である。 本当に大丈夫かよ? このままだと映画みたいに空中を飛んで倉庫に突っ込むようなことになるんじゃねーの? と思い始めたところで右に転進。船体がオートバイのように急激にバンクする。 ズゴー! き、気持ちいい♪ 見た目の感覚よりもずっと奥で転進するのがコツだ。ここは早めに転進してしまうと浅場に乗り上げてしまうのだ。 次の難関は旧江戸川を渡る湾岸道路の橋だ。 一見するとどこでも通れそうに見えるのだが実際に通れるのは向かって左から2番目と3番目の橋脚の間のみ。それ以外は絶対に通ってはいけない。 無事に通過しホッとしたのもつかの間、今度は水深2メートルを切るような葛西臨海公園の横を通らなくてはならない。 公園内を抜ける水路の入り口に浮いた緑色の浮標を目標に突っ込んで行く。するとその左側に竹の棒が突っ立っているのでその横を船2隻分ほど開けて通過する。 魚探を見ると水深1メートルちょっと!? え!? 怖いよ怖いよ怖いよ怖いよ怖いよ怖いよ怖いよ怖いよ怖いよ怖いよ 特に擦るような感触もなく無事に通過し黄色い浮標と浦安の堤防角の中心を目標に航行する。 ここでも三枚州と言う浅瀬があるので注意は必要であるがわかりやすい目印があり割と明確なので少しホッとする。 何か大冒険の後の達成感のようなものを感じながらグッとハンドルを左に切り、船体がバンクするのを感じながらディズニーシー沖へと出る。 ディズニシーでキャッキャウフフ♪と楽しんでいる諸兄たちよ。どうだ。これが海から見るコロンビア号だぞ♪ なんならタワーオブテラーだって見える。 実はこの景色は初めてではなく船舶免許の実技もここだったのだ。そんなに前の事ではないのだが、とても懐かしい感じがする。 ここまで来たなら次は釣りだ!釣りをさせろ! 魚探で魚を探しながらウロウロとすると時折大きな群れが画面に表示され、これは!と船を止めてすかさずルアーをキャストする。 シーバスか、運が良ければ青物か、そのあたりの魚であればすぐにアタリが出そうなものだが一向に反応はない。 粘らずにあちこち移動しながらキャストを続けるが、やはり反応はない。 いつもの荒川と同じかよ! まぁそう焦るなと自分を言い聞かせるが釣りよりも何よりもとにかく操船したくて仕方が無い。 ちょっくらゲートブリッジの向こうへ行って葛西臨海公園の水路を通って一周してくるか。 と走り出したは良いものの、このあとに起きる絶望をまだこの時は知る由もなかった。 上述した三枚州と言うのは実は広大でそれを囲うように注意を促す大きな目印が立っているのだが、その間隔が広く見落として転進してしまうと乗り上げてしまう恐れがある。そのぐらい広い間隔での目印のためこれは実際に目で見て頭と体に叩き込むしか無い。 これらを覚えつつ、横目に若洲沖を抜けゲートブリッジを潜る。 このままお台場方面へ抜けるもよし、羽田方面へ抜けるもよし。なのだが今回はどこかで転回して戻るつもりでのんびりと航行する。 すると前方に巨大なフェリーが。。。 転進してこちらへと船首を向けるのが見える。そう、ここは大型船も通る東京東航路だ。 来るよ来るよ来るよ怖いよ怖いよ怖いよ怖いよ 航路を外れて航行しているため問題はないのだが、あまりの巨大さが不気味である。こう言う時に巨大建造物恐怖症が出るのは克服せねばなるまい。 恐怖に勝てずこれをきっかけに転回し一路荒川河口へと向う。葛西臨海公園の水路を1200回転ぐらいで徐行し再び浦安沖へと出る。 凄い風としぶき。。。 ズシャー!ザパパパパパパパ! キャップが飛ばされそうになり取りあえず一旦広いディズニシー沖へと出てニットにかぶり替える。 メンヘラー女子よろしくものの30分ほどで天気急変である。 「山の天気と女の心は」に海の天気も追加していただきたい。 東京湾奥は南風にとにかく弱いのだ。これが吹いてしまうと釣りどころではない。そうなればもちろん船どころではない。慣れている方であればなんでもないかもしれないが、初心者には少々厳しい。 それでもさすがヤマハさんのボート。とても安定していて不安感はない。ただただ風としぶきが辛いだけだ。 そして寒い! イージスオーシャン着てても寒い! オートバイの1.5割マシと言ったところか。 時計を見ると時間はまだまだある。16時の帰港時間を鑑みた場合、旧江戸川河口周辺に15時30分にいれば問題がない。とするとあと2時間はある。 さて、どうするか。 本来であればこうした行き当たりばったりよりはコースを予め決めておくべきなのだが、まずはとにかく操船に慣れたいと言うところで今度は葛西臨海公園の水路を逆方向、つまり荒川河口へと向かいそこから遡上していくことにした。 ある程度のところで転回すれば早めの帰港ができるはずである。 さぁ、夢の荒川遡上。 荒川ラプソティ! いつも車で通る荒川大橋を抜ける。すると右岸で工事をしており警戒船が白旗を振っている。これは行って良し!の合図だ。 ただ、ワタシは荒川の中央付近を航行しており工事現場まではかなりの距離がある。果たして徐行する必要があるかどうかわからないが、念のため引き波を立てないよう徐行して工事現場を通過する。 インストラクターに教わった通り、橋のどこを通るべきかわからない場合は橋の名前が書いてあるところを通る。そこが一番深いからだ。 後ろを振り向くと後続船がやけに右岸より、つまりワタシが通ったラインとは橋脚の隙間一つ分右岸よりを航行している。 おっかしいなぁ ふと魚探をみる。 水深1.8メートル!!!!!!!! これはあかんやつや! 喫水が浅いのでまだゆとりはあるがこの先どうなっているのかわからない。 後続船を先に行かせると後を追うように同じラインを航行する。これでひと安心だがいつまでも着いていくわけにも行かぬので頃合いを見て転回し、荒川大橋へとふたたび戻ることにした。 荒川を航行する際に航行ルールや水深のわかる地図アプリがあるのを思い出した。しかしAndroid版しかリリースされておらずiPhoneではPDFを見るしか無いので次回は予習しつつiPhoneにファイルを入れていくのが良いだろう。 荒川航行アプリはこちら 荒川通航ガイド、東京低地河川ナビゲーションマップはこちら 荒川大橋を潜ると強風に水しぶき、ザッパンザッパンである。 これはもう運河以外は無理! 残り1時間半と微妙すぎるためこのまま葛西臨海公園の水路を通り帰港することにした。 堀江ドックの対岸に船を寄せそこでフェンダーや係留ロープの準備を整え、浦安橋の下でマリーナへ帰港の連絡をする。 こうすることでスタッフの方が桟橋で待機してくれて、船を近づければあとは係留、後片付けをぜんぶやってくれるのだ。 至れり尽くせり! 下船するとスタッフの方が給油してくれるので、使った分の燃料代とレンタル代を支払い完了である。 ものすごーく楽しかった! 釣れなかったけど。 今が一番楽しいとき、だとは思うのだが、釣れなくても楽しいとはまさにこう言うことを言うのではないだろうか。 さぁ、次はいつ船に乗ろうか。 編集長とアーバンクルージングしたい女性募集中!※20代だと尚可 それでは今日も、No Tsuri-ba! 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