どうもこんにちは!ツリーバ編集長のヒビヤです。

さて、前回の記事で桧枝岐村へのコダワリを書いたが、今回はそんなコダワリの渓での釣行レポートをお届けしよう!

檜枝岐村のような山奥であっても、同じような気持ちを胸にこの地へとやってくる釣り人は多い。いや、むしろ山奥だからこそ多いのかもしれない。

朝早く、その日1番に渓へと入ることが好釣果への近道である。

とは言え、ワタシが現地へ向かったのはGWも真っ直中。多数の入渓者がいた事が想像に難しくない。

先行者がいたからと言って釣れないわけでもないが、秘密のポイントを駆使し、やれる事を全力でやるのみだ。

5月2日 20時

既に車には今回のキャンプに必要なものは大方積んである。しかし、前回の記事に書いた通り急遽行き先を新潟から檜枝岐村へと変更したため、釣り道具の乗せ替え、タックルの準備、入念な忘れ物チェックをする。

そして頭の中が完全に青物釣行になっているので、源流イワナへと切り替える。

今回はルアーしかやらないつもりではいるのだが、万一のタックル破損に備えてエサ釣りの道具も車に積み込み期待に胸膨らませ、家族を車に乗せ、いざ出発だ!

2歳と3歳の子どもたちも慣れたもので今日は車で寝るのだと目をキラキラさせご機嫌だ。

まず外環自動車道に入り、目指すのは東北自動車道の西那須野ICだ。

夕食休憩を挟みつつ高速を降りたのは23時。

このまま檜枝岐村まで行ってしまえそうであるが、昼間人間のワタシは眠い目を擦りながら真っ暗な山道を走るのもイヤなので、途中の道の駅で車中泊をする。檜枝岐村へ行く時の定番車中泊ポイントだ。

檜枝岐村へ入るまでに三つの道の駅があり、もう少し先へ進んでからの車中泊でも良さそうだ。

4時前に自然と目が覚めそのまま再出発するのだが、檜枝岐村へはここからが長い。実に100㎞ほど山道を走ることになる。その間、信号は2つだけ。しかもひとつはほとんど赤に変わる事がない村の歩行者専用の信号だ。

大抵田島の交差点で信号にひっかかるが、それ以降は実質ノンストップである。

緩やかな登り、この上なく急な登り、ずーっと登り。時折平坦。

高速道路よりはましだが、あまりにも退屈で気絶しそうである。

辺りはうっすらと明るくなり、遠く山々を見回しても雪は少ない。伊南川の水量も平時と大して変わらない。

6時を過ぎる頃にようやく檜枝岐村へと入り、7㎞ほど山へと入っていくと標高1000mにある目的地の七入オートキャンプ場が見えてくる。

去年の9月以来、久しぶりに見る管理小屋はまだ静かであるが、恐らく常駐している山仙人のサトヤンさんが起きているはずである。車の外へ出ると冷たく凛とした空気に身体が包まれる。

ノンビリしている暇はない。すぐにテント設営だ!

テン場にしようとした場所に先客がいたのだが、よく見たら去年も一緒になったものすごくでかくて高価な望遠鏡を持ち込んでいる一家であった。このような方が星を見に訪れるほどに周りに光りが無く、空気が綺麗なのだ。

我々が基地とするテン場は造成された場所で砂利や岩が地面のほとんどを埋め尽くしている。並のペグでは歯が立たない。

最強の強度を誇るペグを最強のハンマーでガッチンガッチンと打ち込みテントを設営し、タープもガッチンガッチンペグ打ちして設営し、テーブルやツーバーナー、ランタンなど必要アイテムを整えたら朝食のオニギリだ。

少し気温の上がった空気に浸りながら山々、目の前の本流を眺め飲むドリップコーヒーは最高のリラックスを与えてくれる。本流と言っても実川本流であり幅は狭く、源流の様相である。

望遠鏡の家族は今日で帰るようだ。他のキャンパーたちも帰り支度をしている。

スポーツウェア類を身につけ、今回はまだ寒いためにウェーダーを着用し、雨具などの入ったバックパックを背負い、ようやく念願の支流へと入渓である。去年の9月以来となるこの沢はどんなイワナと会わせてくれるのだろうか。

今回の装備の場合は危険なので滝は登らず、三段の滝壺までの遡行となる。

渓流釣りと言うと映画のような広い瀬で水に入ってゆったりと竿を振るイメージもあるかもしれないが、このエリアに関してはCR区間か本流の一部にしかそのような場所はない。

大きな岩が多く、浅かったり深かったり、平時でも流れは強く装備も本来はウェーダーなどではなく、沢タビ、鮎タイツなどの方が安全であろう。

ワタシは季節が来れば完全沢登りの装備に、落石や自信の滑落に備えてヘルメットも装着する。間違っても幅の出る笠などを被ってはいけない。へつりの際にドリフよろしくドボーンと滝壺へと落ちる事になる。それが三段の滝上のゴルジュなどであればいくつもの滝を落下する事になってしまう。それでは命がいくつあっても足りない。

話が逸れてしまったが、山道を行き、支流へとぶつかったところで最初の堰堤を高巻きし、構造物を降りようとした時に太い木が梯子のようにかかっているのが目に入った。

はて、これは足をかけても大丈夫なものかと思ったがはやいか、期待通りにザザザザザっと木が倒れるのと同時にワタシもバックスバーニーよろしく地面に突っ伏した。

こういう時に限ってGoProを撮影モードにしていないのが悔やまれる。

幸いにも地面が土と堆積したクマザサの葉であったため、怪我もこれと言った痛みもなく、何事もなかったかのように起き上がり、いざ藪漕ぎ開始だ!

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この季節としては異例なほど全く雪がない。藪から沢を覗いてみるが、雪代が入っている気配はないものの、若干水量が多いようだ。

入渓ポイントを慎重にセレクトし、静かに小さな流れを徒渉する。

基本的にこのエリアの川で水に浸かったまま釣りをする場面はとても少ない。せいぜい徒渉などでやむを得ず入る程度である。流れが速くとても強いためウェーダーで転倒すればそれこそ命取りになる。それに後続者や翌日の自分の釣りのためにも極力川に入らない方が得策だ。

高巻きしている時に新しい踏み跡があったので、昨日なのか、早朝なのか、釣り人か沢屋が入ったのであろう。竿抜けポイントを探しての釣りになることは間違いなく、次の高巻きポイントから先はイワナが出ないであろうと予測した。

シチュエーションとしては少々不満ではるのだが、ワタシの秘密竿抜けポイントでスプーンを投げると2投目でヒット!なかなかの良型だ。

ポイントを変えてスプーンを通すとどこから湧いてきたのかと思うほどたくさんのイワナが追いかけてくる。

ボトムに落としてからの定点シェイクによく反応するようだ。

その中でも良型が立て続けに2匹ヒット!それ以外にもバラシ多数。

しかも1匹はなんと尺上である!強い流れのヨレでこのサイズが釣れたら最高なのに。。。前回の記事に書いたが、ワタシは魚が釣れたシチュエーションにとても拘っている。ただ釣れればいいと言うものではないのだ。言ってみればさながら映画監督のような気持ちである。

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はいカーット!そうじゃない!もっと強い流れの中に逃げるんだよ!これは遊びじゃない!必死に死ぬ気で逃げるんだよ!いいか!?はいテイク2!アクション!

などとやり直しができるのであれば、もう一度やり直したいぐらいである。さらには上へ下へと走ってくれたら文句なし。

前回の記事を読んでいただいた方ならお気づきであろう。そう、それが過去に釣れた思い出の再現と、シチュエーションを自分で作ると言う事なのだ。

さらに良型1匹を追加したところでこの日のキープ上限と決めていた4匹(家族分)をネットに入れ、生かしたままデポし遡行する。

入渓してからたった30分の出来事だ。血眼で沢を探し、脚を使って何度も同じ沢に入って研究を重ねる必要はあるのだが、これが檜枝岐村のポテンシャルである。イワナを釣る事は簡単だが、自分の五感を使ってポイントと魚を探し、そこへ辿り着くルートを開拓し、それなりの装備、体力や知識を持って挑まなければ釣りどころか、怪我をしかねない。この釣りの難しさはここにある。

決意を持ってチャレンジした者にだけ大きなチャンスがある。誰にでもできるわけじゃない、だから面白いのだ。

逆に考えればチャレンジ精神さえあれば誰でも釣る事ができるのだ。

ルアーでイワナを釣る場合、特に今回の沢のようにスレた狭い沢では最初の一投で魚が姿を見せなければチャンスはぐっと下がる。なぜならそこに魚がいない可能性、またはスレている可能性が高いからだ。

サイトフィッシングとは少々違い、魚の姿が見えなくともやる気のある魚がいれば影からもの凄いスピードでスっと飛び出してくるのが見えるので、一つのポイントで3投ほどして反応が無ければ見切りをつけて遡行していく。このスピード感もワタシがこの釣りにどっぷりとはまった一つの理由である。とにかくワタシは短気なのだ。ダメなら次である。安心してください、女性関係は短気ではありません。

このような状況でもあるため、ルアーチェンジなどはほとんどしない。こちらから脚を運んでいくためルアーチェンジにあまり意味がない。極端に言ってしまえばスプーンとミノーを一つずつ持っていればそれで事足りてしまうのだ。このシンプルさもまたどっぷりとはまった理由の一つである。実際には複数のスプーンやミノーを持ち歩いてはいるのだが。

目的地の三段の滝まで途中のトロ場でアタックあり、ザラ瀬で良型一匹、落ち込み周辺でアタックがあったのみで想像した通り相当にスレている。三段の滝壺もいつもなら数匹釣れるのであるが反応すらない。

さっさとタックルをバックパックに詰め、沢を下る。

沢でルアーをやる場合、絶対的にパックロッド、できればテレスコパックがオススメだ。藪漕ぎ、高巻き、直登をするのにワンピースロッドなどを持っていては怪我の元である。

ワタシは少々パワーが強すぎるのだが、廃盤になってしまったネオバーサルのテレスコを使っている。5.6ftだがその仕舞寸なんと30センチほど。メバルやバス、シーバスでも使えるのでとても重宝している。1g〜10gまでルアーを背負える事になっているが、一番使いやすいのは5g程度であろう。それ以上でも、それ以下でも少々使うのにコツが必要になる。

入渓ポイントまで降りてくるとまだ11時だ。2時間ほど釣りをしていた事になるが、せっかくなのでもう一度ルアーを投げてみようとスプーンからスピアヘッドリュウキに替えて良型を2匹ほど釣り、デポしておいた元気なイワナをピックアップしてテン場へと戻る事にした。

夕方はお待ちかね、仕入れた備長炭とIKEAのグリルでまずは小さめ塩焼サイズ、とは言っても22センチ以上はあるのだが、それらをじっくりと焼く。備長炭で焼くと焼き上がりが早いのも助かるが、煙による雑味なく、自身の水分と脂だけで火が通り、ホックホクで最高にうまいのだ。頭からシッポまで、内蔵以外は全部食べられる。日頃は小食の子どもたちも頭から丸かじりで美味そうに食べているから嬉しい。

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でかい2匹はナニか別の料理にしようと思ったのだが、妻が塩焼きがうまかったから、これも塩焼きにしようと言うので、残り2匹も塩焼きにする。

尺上イワナはさすがにでかい。グリルからはみ出すほどのでかさである。サイズからして大味かと言うと全くそんな事はなく、身が引き締まりとてつもなくうまい。ただやはり天然ものが故の雑味はある。味で言えばヤマメの方がうまい。

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この後はテントのフレームが曲がるほどの強風となり子ども達は管理小屋へ避難、ワタシは酒で陶酔した頭を使って果てしない事を考えつつ、真っ赤にゆっくりと燃える備長炭の火を眺めてこの日を締めくくった。

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次回は誰でも簡単、キャッチアンドリリース区間をご紹介します!

それでは今日も果てしない思いを胸に、No Tsuri-ba! No Life!


http://tsuri-ba.net/wp-content/uploads/2016/05/IMGP0006.jpghttp://tsuri-ba.net/wp-content/uploads/2016/05/IMGP0006-150x150.jpgtsuri-ba渓流・源流の釣りイワナ,キャンプ,ルアー,檜枝岐村どうもこんにちは!ツリーバ編集長のヒビヤです。 さて、前回の記事で桧枝岐村へのコダワリを書いたが、今回はそんなコダワリの渓での釣行レポートをお届けしよう! 檜枝岐村のような山奥であっても、同じような気持ちを胸にこの地へとやってくる釣り人は多い。いや、むしろ山奥だからこそ多いのかもしれない。 朝早く、その日1番に渓へと入ることが好釣果への近道である。 とは言え、ワタシが現地へ向かったのはGWも真っ直中。多数の入渓者がいた事が想像に難しくない。 先行者がいたからと言って釣れないわけでもないが、秘密のポイントを駆使し、やれる事を全力でやるのみだ。 5月2日 20時 既に車には今回のキャンプに必要なものは大方積んである。しかし、前回の記事に書いた通り急遽行き先を新潟から檜枝岐村へと変更したため、釣り道具の乗せ替え、タックルの準備、入念な忘れ物チェックをする。 そして頭の中が完全に青物釣行になっているので、源流イワナへと切り替える。 今回はルアーしかやらないつもりではいるのだが、万一のタックル破損に備えてエサ釣りの道具も車に積み込み期待に胸膨らませ、家族を車に乗せ、いざ出発だ! 2歳と3歳の子どもたちも慣れたもので今日は車で寝るのだと目をキラキラさせご機嫌だ。 まず外環自動車道に入り、目指すのは東北自動車道の西那須野ICだ。 夕食休憩を挟みつつ高速を降りたのは23時。 このまま檜枝岐村まで行ってしまえそうであるが、昼間人間のワタシは眠い目を擦りながら真っ暗な山道を走るのもイヤなので、途中の道の駅で車中泊をする。檜枝岐村へ行く時の定番車中泊ポイントだ。 檜枝岐村へ入るまでに三つの道の駅があり、もう少し先へ進んでからの車中泊でも良さそうだ。 4時前に自然と目が覚めそのまま再出発するのだが、檜枝岐村へはここからが長い。実に100㎞ほど山道を走ることになる。その間、信号は2つだけ。しかもひとつはほとんど赤に変わる事がない村の歩行者専用の信号だ。 大抵田島の交差点で信号にひっかかるが、それ以降は実質ノンストップである。 緩やかな登り、この上なく急な登り、ずーっと登り。時折平坦。 高速道路よりはましだが、あまりにも退屈で気絶しそうである。 辺りはうっすらと明るくなり、遠く山々を見回しても雪は少ない。伊南川の水量も平時と大して変わらない。 6時を過ぎる頃にようやく檜枝岐村へと入り、7㎞ほど山へと入っていくと標高1000mにある目的地の七入オートキャンプ場が見えてくる。 去年の9月以来、久しぶりに見る管理小屋はまだ静かであるが、恐らく常駐している山仙人のサトヤンさんが起きているはずである。車の外へ出ると冷たく凛とした空気に身体が包まれる。 ノンビリしている暇はない。すぐにテント設営だ! テン場にしようとした場所に先客がいたのだが、よく見たら去年も一緒になったものすごくでかくて高価な望遠鏡を持ち込んでいる一家であった。このような方が星を見に訪れるほどに周りに光りが無く、空気が綺麗なのだ。 我々が基地とするテン場は造成された場所で砂利や岩が地面のほとんどを埋め尽くしている。並のペグでは歯が立たない。 最強の強度を誇るペグを最強のハンマーでガッチンガッチンと打ち込みテントを設営し、タープもガッチンガッチンペグ打ちして設営し、テーブルやツーバーナー、ランタンなど必要アイテムを整えたら朝食のオニギリだ。 少し気温の上がった空気に浸りながら山々、目の前の本流を眺め飲むドリップコーヒーは最高のリラックスを与えてくれる。本流と言っても実川本流であり幅は狭く、源流の様相である。 望遠鏡の家族は今日で帰るようだ。他のキャンパーたちも帰り支度をしている。 スポーツウェア類を身につけ、今回はまだ寒いためにウェーダーを着用し、雨具などの入ったバックパックを背負い、ようやく念願の支流へと入渓である。去年の9月以来となるこの沢はどんなイワナと会わせてくれるのだろうか。 今回の装備の場合は危険なので滝は登らず、三段の滝壺までの遡行となる。 渓流釣りと言うと映画のような広い瀬で水に入ってゆったりと竿を振るイメージもあるかもしれないが、このエリアに関してはCR区間か本流の一部にしかそのような場所はない。 大きな岩が多く、浅かったり深かったり、平時でも流れは強く装備も本来はウェーダーなどではなく、沢タビ、鮎タイツなどの方が安全であろう。 ワタシは季節が来れば完全沢登りの装備に、落石や自信の滑落に備えてヘルメットも装着する。間違っても幅の出る笠などを被ってはいけない。へつりの際にドリフよろしくドボーンと滝壺へと落ちる事になる。それが三段の滝上のゴルジュなどであればいくつもの滝を落下する事になってしまう。それでは命がいくつあっても足りない。 話が逸れてしまったが、山道を行き、支流へとぶつかったところで最初の堰堤を高巻きし、構造物を降りようとした時に太い木が梯子のようにかかっているのが目に入った。 はて、これは足をかけても大丈夫なものかと思ったがはやいか、期待通りにザザザザザっと木が倒れるのと同時にワタシもバックスバーニーよろしく地面に突っ伏した。 こういう時に限ってGoProを撮影モードにしていないのが悔やまれる。 幸いにも地面が土と堆積したクマザサの葉であったため、怪我もこれと言った痛みもなく、何事もなかったかのように起き上がり、いざ藪漕ぎ開始だ! この季節としては異例なほど全く雪がない。藪から沢を覗いてみるが、雪代が入っている気配はないものの、若干水量が多いようだ。 入渓ポイントを慎重にセレクトし、静かに小さな流れを徒渉する。 基本的にこのエリアの川で水に浸かったまま釣りをする場面はとても少ない。せいぜい徒渉などでやむを得ず入る程度である。流れが速くとても強いためウェーダーで転倒すればそれこそ命取りになる。それに後続者や翌日の自分の釣りのためにも極力川に入らない方が得策だ。 高巻きしている時に新しい踏み跡があったので、昨日なのか、早朝なのか、釣り人か沢屋が入ったのであろう。竿抜けポイントを探しての釣りになることは間違いなく、次の高巻きポイントから先はイワナが出ないであろうと予測した。 シチュエーションとしては少々不満ではるのだが、ワタシの秘密竿抜けポイントでスプーンを投げると2投目でヒット!なかなかの良型だ。 ポイントを変えてスプーンを通すとどこから湧いてきたのかと思うほどたくさんのイワナが追いかけてくる。 ボトムに落としてからの定点シェイクによく反応するようだ。 その中でも良型が立て続けに2匹ヒット!それ以外にもバラシ多数。 しかも1匹はなんと尺上である!強い流れのヨレでこのサイズが釣れたら最高なのに。。。前回の記事に書いたが、ワタシは魚が釣れたシチュエーションにとても拘っている。ただ釣れればいいと言うものではないのだ。言ってみればさながら映画監督のような気持ちである。 はいカーット!そうじゃない!もっと強い流れの中に逃げるんだよ!これは遊びじゃない!必死に死ぬ気で逃げるんだよ!いいか!?はいテイク2!アクション! などとやり直しができるのであれば、もう一度やり直したいぐらいである。さらには上へ下へと走ってくれたら文句なし。 前回の記事を読んでいただいた方ならお気づきであろう。そう、それが過去に釣れた思い出の再現と、シチュエーションを自分で作ると言う事なのだ。 さらに良型1匹を追加したところでこの日のキープ上限と決めていた4匹(家族分)をネットに入れ、生かしたままデポし遡行する。 入渓してからたった30分の出来事だ。血眼で沢を探し、脚を使って何度も同じ沢に入って研究を重ねる必要はあるのだが、これが檜枝岐村のポテンシャルである。イワナを釣る事は簡単だが、自分の五感を使ってポイントと魚を探し、そこへ辿り着くルートを開拓し、それなりの装備、体力や知識を持って挑まなければ釣りどころか、怪我をしかねない。この釣りの難しさはここにある。 決意を持ってチャレンジした者にだけ大きなチャンスがある。誰にでもできるわけじゃない、だから面白いのだ。 逆に考えればチャレンジ精神さえあれば誰でも釣る事ができるのだ。 ルアーでイワナを釣る場合、特に今回の沢のようにスレた狭い沢では最初の一投で魚が姿を見せなければチャンスはぐっと下がる。なぜならそこに魚がいない可能性、またはスレている可能性が高いからだ。 サイトフィッシングとは少々違い、魚の姿が見えなくともやる気のある魚がいれば影からもの凄いスピードでスっと飛び出してくるのが見えるので、一つのポイントで3投ほどして反応が無ければ見切りをつけて遡行していく。このスピード感もワタシがこの釣りにどっぷりとはまった一つの理由である。とにかくワタシは短気なのだ。ダメなら次である。安心してください、女性関係は短気ではありません。 このような状況でもあるため、ルアーチェンジなどはほとんどしない。こちらから脚を運んでいくためルアーチェンジにあまり意味がない。極端に言ってしまえばスプーンとミノーを一つずつ持っていればそれで事足りてしまうのだ。このシンプルさもまたどっぷりとはまった理由の一つである。実際には複数のスプーンやミノーを持ち歩いてはいるのだが。 目的地の三段の滝まで途中のトロ場でアタックあり、ザラ瀬で良型一匹、落ち込み周辺でアタックがあったのみで想像した通り相当にスレている。三段の滝壺もいつもなら数匹釣れるのであるが反応すらない。 さっさとタックルをバックパックに詰め、沢を下る。 沢でルアーをやる場合、絶対的にパックロッド、できればテレスコパックがオススメだ。藪漕ぎ、高巻き、直登をするのにワンピースロッドなどを持っていては怪我の元である。 ワタシは少々パワーが強すぎるのだが、廃盤になってしまったネオバーサルのテレスコを使っている。5.6ftだがその仕舞寸なんと30センチほど。メバルやバス、シーバスでも使えるのでとても重宝している。1g〜10gまでルアーを背負える事になっているが、一番使いやすいのは5g程度であろう。それ以上でも、それ以下でも少々使うのにコツが必要になる。 入渓ポイントまで降りてくるとまだ11時だ。2時間ほど釣りをしていた事になるが、せっかくなのでもう一度ルアーを投げてみようとスプーンからスピアヘッドリュウキに替えて良型を2匹ほど釣り、デポしておいた元気なイワナをピックアップしてテン場へと戻る事にした。 夕方はお待ちかね、仕入れた備長炭とIKEAのグリルでまずは小さめ塩焼サイズ、とは言っても22センチ以上はあるのだが、それらをじっくりと焼く。備長炭で焼くと焼き上がりが早いのも助かるが、煙による雑味なく、自身の水分と脂だけで火が通り、ホックホクで最高にうまいのだ。頭からシッポまで、内蔵以外は全部食べられる。日頃は小食の子どもたちも頭から丸かじりで美味そうに食べているから嬉しい。 でかい2匹はナニか別の料理にしようと思ったのだが、妻が塩焼きがうまかったから、これも塩焼きにしようと言うので、残り2匹も塩焼きにする。 尺上イワナはさすがにでかい。グリルからはみ出すほどのでかさである。サイズからして大味かと言うと全くそんな事はなく、身が引き締まりとてつもなくうまい。ただやはり天然ものが故の雑味はある。味で言えばヤマメの方がうまい。 この後はテントのフレームが曲がるほどの強風となり子ども達は管理小屋へ避難、ワタシは酒で陶酔した頭を使って果てしない事を考えつつ、真っ赤にゆっくりと燃える備長炭の火を眺めてこの日を締めくくった。 次回は誰でも簡単、キャッチアンドリリース区間をご紹介します! それでは今日も果てしない思いを胸に、No Tsuri-ba! 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