こんにちは!ツリーバライターのイシザキです!

だいぶ暖かくなってきました。釣り人にとって辛い季節が通り過ぎ、これから楽しい季節がやってきますね。

今回は、ちょっと厄介な事情が生じまして、ウナギを釣りに行かなくてはならなくなったのでそのお話です。

僕が現在住んでいるのはシェアハウス。しかし、暮らす中で釣り道具というのはなかなかに厄介である。匂いのしないように注意しないといけないし、場所は取るし・・・その一つがこの釣竿。個人スペースが限られているため、置くとしたら共有スペースを不法占有するか、ベット上で抱き枕として活用するか・・・ということになるが、オキアミ臭が入眠をすこぶる妨げることが予想されるため前者を選択。同居人らから苦情が来るのを避けるため、掃除グッズに擬態させて釣竿を保管してきた。

シェアハウスには同居人が多数おり、ツリーバでもたまに登場してもらっている。ただ人の入れ替わりが激しく、昨日いた人がいつの間にか居なくなっていた!とか、洗面所に行くと知らないおっさんが顔を洗っていてぎょっとする…なんてことも多い。数ヶ月前にも新たに同居人が入ってきたのだが、彼から釣竿にツッコミが入った。

新:これ、何?
イ:・・・・釣り竿です…すいません、共有スペースですよね…
新:いやいや、全然!へぇ~釣りするんだ!
イ:・・・そうなんですよ~荒川とか、東京湾とかでよく釣ってます!
新:へぇ~~~!どんなん釣るの?
イ:・・・・


イ:ハゼ、ですかね?
新:・・・・へぇ

これだけ東京で釣りをしておいて堂々と「これなら釣れる!」と宣言できるネタ・・・数秒考えた答えがハゼしかなかった。ハゼに少々失礼だが、「シーバスくらいなら楽勝で!」くらいは堂々と言えるようになりたいものだ。しかし、次に新同居人から思わぬ質問…

新:ちなみにウナギとかも釣れるの?!
イ:(!!!!)あぁ~釣りますね。

「なぜウナギ?」と一瞬思ったが、比較的に釣り人らしいうんちくを持っている釣りネタだ。ウナギといえば、昨年の夏に編集長の悪意に満ちた指令により赤水門に誘われた挙句、恐怖に耐えながらも無事2匹のウナギをゲットする、という涙ぐましい歴史がある。語ってやろう、武勇伝

新:捌いて食べたりするの?!
イ:もちろんもちろん!この前釣った時もみんなで食べましたよ!
新:へぇ~すごい!捌くのって難しくないの?
イ:そうですね~難しいですけど、慣れれば余裕ですよ!
新:でも、生きたまま捌くんだよね?かなり難しそうだけど
イ:まぁ、そうですね!去年、岩淵ってところでですね・・・・

止まらぬ武勇伝。若い頃から幾度となく武勇伝を語るじじい達に出会ってきたが、年老いた今なら彼らの気持ちがわかる…誰かに聞いて欲しいのだ。我らが心を燃やした釣り人生を

ちなみにだが、我が武勇伝はだいぶ誇張されている。

以前ウナギを釣った赤水門釣行。あの時は100均で買った小瓶に2匹のウナギを詰め込み帰宅。が、帰宅後の深夜、トイレに行くついでに覗いで見ると、すでに臨終していたのだ。そのため、鮮度保持のために寝ぼけ眼で小瓶からウナギを取り出して冷蔵庫へ。

しかも翌日の捌く段階では、より捌きやすいようにとスポンジでぬるぬるを取り去り・・・要は、さも「ウナギ捌きなら得意です」的に語ったが、一回しか捌いたことがない上に、ネイルをつけた今時ママでもさばけそうな状態を作り出した上で捌いたにすぎなかったのだ。だがそんなことは小事、我が武勇伝は一点の曇りない潔白なものでなくてはならない・・・そういうちょっと可愛い虚栄心が働いたのだが…

新:今度さぁ、捌いて見せてくんない?
イ:・・・はい?
新:いや、ちょっとウナギを捌けるようになりたくてね。上手い人のを見てみたいんだ。
イ:・・・ん~~~、季節的にもホイホイ釣れるものではないですし、難しいかと^^;
新:そっか~どうしよう・・・

あぶねぇあぶねぇ…。まさかウナギ捌きの実演を要求してこようとは。ちょいとヒヤリとしたが、我が武勇伝のメッキが剥がれることはなさそうだ。

と思ったのだが、翌日。

イ:おはようございます。
新:おはよう。ウナギのことなんだけどさ~
イ:えぇ、なんでしょう?
新:来週の土曜空いてる?ウナギ捌いて見せて欲しいなぁと思って!
イ:え?いや、でも生きたウナギなんてそうそう手に入らないですよ
新:仕入れるよ。
イ:はい?
新:いやね、魚屋の親父に聞いたら取り寄せてくれるってさ!
イ:・・・・なるほど。で、でも土曜は予定が
新:いつなら空いてる?
イ:いや、ちょっと最近多忙で・・・予定が見えないです(基本暇ですが)

・・・

そこまでするか?!もしかして、嘘を見抜かれているのか?!僕より20歳ほど年上の彼なら人を見る目は僕より数段上だろう・・・でもそこまでするか?!ちょっと見栄はって嘘ついただけじゃんか〜そんなにおっさんの嘘を暴きたいか?( i _ i )やばいやばい、怖すぎる!

イ:でも、なんでそこまでして・・・
新:いや~~、実はいつかウナギ屋やってみたくてね!
イ:!!!ほ、ほぅ
新:ウナギを捌くYoutubeも何十回も見てるんだけど、実際捌くのも覚えたくて
イ:そうなんですね~
新:予定空いてる日あったらよろしく!
イ:・・・はい

まさか・・・
ウナギ武勇伝を語った相手がまさかのウナギ屋志望という事態は想定外である。そもそも僕youtubeを一回見てテキトーに捌いただけ。見た目は思いのほか上手に捌けたので調子に乗っていただけなのだ。

だが、ここで嘘であることを認めればシェアハウスの先輩としての威厳にかかわる・・・仕方あるまい。

ウナギの極秘調達。
嘘がばれそうなら「本当」にしてしまえばいい!やってきたのは去年に唯一ウナギ釣果のあった赤水門。こっそりウナギを釣ってこっそり捌く練習をして嘘を誠にする。

忠犬ルアーを投げる片手間でミミズ付きのブッコミ仕掛けを投げ込んでみた。

約1時間後・・・

チリん

一回鳴るも沈黙する鈴。ゴミか?とも思ったが、去年の赤水門で感じたウナギの当たりも似たようなものだった。一瞬鈴がなって竿が曲がり、完全にかかるのを待つも音沙汰なし・・・逃したかぁ、と思って引き上げるとまさかのウナギだった。深く考えたことがなかったが、ウナギって「居食い」するタイプの魚なのかな、とか思ったり。妙な期待が湧いてきたが、経験上ではここで焦って合わせるのは禁物。忠犬ルアーを投げながらブッコミ竿を注視していると、約10分後。

チリん

きてるきてる!おそらく既に鈎がかりしている可能性が高いが、念には念を。さらに5分待ち・・・そ~~~~っとアタリを聞くようにして糸を手繰り寄せてみる。

・・・

鈍っ!でも魚だ!

ゴミじゃない、確実な生命感!しかも、寝起きのおっさんでもかかってるのか?というぐらいに超にぶい引き。去年の夏、まさにココで味わったウナギの引きそのものだ!間違いない!


・・・帰ぇれ。

またオメェかよ、ゴイニー

以前にウナギを求めてやって来た時も、ゴイニーの思わせぶりな態度にしてやられた。何も釣れない、という最悪の事態を避けられたことには感謝するが、赤水門のニゴイのまずさは既に実証済みであるし、しかも今回釣行の趣旨はウナギをこっそり釣ってこっそり捌き練習をすることなのだ。編集長はゴイニーを「パイセン」として敬意を持っているようだが、はっきし言って全く歓迎できない。けぇれ

ニゴイを即座にリリースし、新人への面目を保つという強い目的のもとさらに1時間釣行を続けた。

お察しの通り。

結局、コソ練をする前に活ウナギの捕獲失敗・・・赤水門を後にした…
その後、休日も意味なく公園へ出かける日を過ごし、新人同居人がウナギ事案を忘れる日を待っている。
でもさ、ちょっと嘘ついただけじゃんか・・・・

なぜこうなる?(T . T)

沈黙は金である。

No Tsuri-ba No Life

https://tsuri-ba.net/wp-content/uploads/2018/03/IMG_5208.jpghttps://tsuri-ba.net/wp-content/uploads/2018/03/IMG_5208-150x150.jpgいしぽよ釣りTALKウナギ,ニゴイ,赤水門こんにちは!ツリーバライターのイシザキです! だいぶ暖かくなってきました。釣り人にとって辛い季節が通り過ぎ、これから楽しい季節がやってきますね。 今回は、ちょっと厄介な事情が生じまして、ウナギを釣りに行かなくてはならなくなったのでそのお話です。 僕が現在住んでいるのはシェアハウス。しかし、暮らす中で釣り道具というのはなかなかに厄介である。匂いのしないように注意しないといけないし、場所は取るし・・・その一つがこの釣竿。個人スペースが限られているため、置くとしたら共有スペースを不法占有するか、ベット上で抱き枕として活用するか・・・ということになるが、オキアミ臭が入眠をすこぶる妨げることが予想されるため前者を選択。同居人らから苦情が来るのを避けるため、掃除グッズに擬態させて釣竿を保管してきた。 シェアハウスには同居人が多数おり、ツリーバでもたまに登場してもらっている。ただ人の入れ替わりが激しく、昨日いた人がいつの間にか居なくなっていた!とか、洗面所に行くと知らないおっさんが顔を洗っていてぎょっとする…なんてことも多い。数ヶ月前にも新たに同居人が入ってきたのだが、彼から釣竿にツッコミが入った。 新:これ、何? イ:・・・・釣り竿です...すいません、共有スペースですよね… 新:いやいや、全然!へぇ~釣りするんだ! イ:・・・そうなんですよ~荒川とか、東京湾とかでよく釣ってます! 新:へぇ~~~!どんなん釣るの? イ:・・・・ イ:ハゼ、ですかね? 新:・・・・へぇ これだけ東京で釣りをしておいて堂々と「これなら釣れる!」と宣言できるネタ・・・数秒考えた答えがハゼしかなかった。ハゼに少々失礼だが、「シーバスくらいなら楽勝で!」くらいは堂々と言えるようになりたいものだ。しかし、次に新同居人から思わぬ質問… 新:ちなみにウナギとかも釣れるの?! イ:(!!!!)あぁ~釣りますね。 「なぜウナギ?」と一瞬思ったが、比較的に釣り人らしいうんちくを持っている釣りネタだ。ウナギといえば、昨年の夏に編集長の悪意に満ちた指令により赤水門に誘われた挙句、恐怖に耐えながらも無事2匹のウナギをゲットする、という涙ぐましい歴史がある。語ってやろう、武勇伝 新:捌いて食べたりするの?! イ:もちろんもちろん!この前釣った時もみんなで食べましたよ! 新:へぇ~すごい!捌くのって難しくないの? イ:そうですね~難しいですけど、慣れれば余裕ですよ! 新:でも、生きたまま捌くんだよね?かなり難しそうだけど イ:まぁ、そうですね!去年、岩淵ってところでですね・・・・ 止まらぬ武勇伝。若い頃から幾度となく武勇伝を語るじじい達に出会ってきたが、年老いた今なら彼らの気持ちがわかる…誰かに聞いて欲しいのだ。我らが心を燃やした釣り人生を ちなみにだが、我が武勇伝はだいぶ誇張されている。 以前ウナギを釣った赤水門釣行。あの時は100均で買った小瓶に2匹のウナギを詰め込み帰宅。が、帰宅後の深夜、トイレに行くついでに覗いで見ると、すでに臨終していたのだ。そのため、鮮度保持のために寝ぼけ眼で小瓶からウナギを取り出して冷蔵庫へ。 しかも翌日の捌く段階では、より捌きやすいようにとスポンジでぬるぬるを取り去り・・・要は、さも「ウナギ捌きなら得意です」的に語ったが、一回しか捌いたことがない上に、ネイルをつけた今時ママでもさばけそうな状態を作り出した上で捌いたにすぎなかったのだ。だがそんなことは小事、我が武勇伝は一点の曇りない潔白なものでなくてはならない・・・そういうちょっと可愛い虚栄心が働いたのだが... 新:今度さぁ、捌いて見せてくんない? イ:・・・はい? 新:いや、ちょっとウナギを捌けるようになりたくてね。上手い人のを見てみたいんだ。 イ:・・・ん~~~、季節的にもホイホイ釣れるものではないですし、難しいかと^^; 新:そっか~どうしよう・・・ あぶねぇあぶねぇ…。まさかウナギ捌きの実演を要求してこようとは。ちょいとヒヤリとしたが、我が武勇伝のメッキが剥がれることはなさそうだ。 と思ったのだが、翌日。 イ:おはようございます。 新:おはよう。ウナギのことなんだけどさ~ イ:えぇ、なんでしょう? 新:来週の土曜空いてる?ウナギ捌いて見せて欲しいなぁと思って! イ:え?いや、でも生きたウナギなんてそうそう手に入らないですよ 新:仕入れるよ。 イ:はい? 新:いやね、魚屋の親父に聞いたら取り寄せてくれるってさ! イ:・・・・なるほど。で、でも土曜は予定が 新:いつなら空いてる? イ:いや、ちょっと最近多忙で・・・予定が見えないです(基本暇ですが) ・・・ そこまでするか?!もしかして、嘘を見抜かれているのか?!僕より20歳ほど年上の彼なら人を見る目は僕より数段上だろう・・・でもそこまでするか?!ちょっと見栄はって嘘ついただけじゃんか〜そんなにおっさんの嘘を暴きたいか?( i _ i )やばいやばい、怖すぎる! イ:でも、なんでそこまでして・・・ 新:いや~~、実はいつかウナギ屋やってみたくてね! イ:!!!ほ、ほぅ 新:ウナギを捌くYoutubeも何十回も見てるんだけど、実際捌くのも覚えたくて イ:そうなんですね~ 新:予定空いてる日あったらよろしく! イ:・・・はい まさか・・・ ウナギ武勇伝を語った相手がまさかのウナギ屋志望という事態は想定外である。そもそも僕youtubeを一回見てテキトーに捌いただけ。見た目は思いのほか上手に捌けたので調子に乗っていただけなのだ。 だが、ここで嘘であることを認めればシェアハウスの先輩としての威厳にかかわる・・・仕方あるまい。 ウナギの極秘調達。 嘘がばれそうなら「本当」にしてしまえばいい!やってきたのは去年に唯一ウナギ釣果のあった赤水門。こっそりウナギを釣ってこっそり捌く練習をして嘘を誠にする。 忠犬ルアーを投げる片手間でミミズ付きのブッコミ仕掛けを投げ込んでみた。 約1時間後・・・ チリん 一回鳴るも沈黙する鈴。ゴミか?とも思ったが、去年の赤水門で感じたウナギの当たりも似たようなものだった。一瞬鈴がなって竿が曲がり、完全にかかるのを待つも音沙汰なし・・・逃したかぁ、と思って引き上げるとまさかのウナギだった。深く考えたことがなかったが、ウナギって「居食い」するタイプの魚なのかな、とか思ったり。妙な期待が湧いてきたが、経験上ではここで焦って合わせるのは禁物。忠犬ルアーを投げながらブッコミ竿を注視していると、約10分後。 チリん きてるきてる!おそらく既に鈎がかりしている可能性が高いが、念には念を。さらに5分待ち・・・そ~~~~っとアタリを聞くようにして糸を手繰り寄せてみる。 ・・・ 鈍っ!でも魚だ! ゴミじゃない、確実な生命感!しかも、寝起きのおっさんでもかかってるのか?というぐらいに超にぶい引き。去年の夏、まさにココで味わったウナギの引きそのものだ!間違いない! ・・・帰ぇれ。 またオメェかよ、ゴイニー 以前にウナギを求めてやって来た時も、ゴイニーの思わせぶりな態度にしてやられた。何も釣れない、という最悪の事態を避けられたことには感謝するが、赤水門のニゴイのまずさは既に実証済みであるし、しかも今回釣行の趣旨はウナギをこっそり釣ってこっそり捌き練習をすることなのだ。編集長はゴイニーを「パイセン」として敬意を持っているようだが、はっきし言って全く歓迎できない。けぇれ ニゴイを即座にリリースし、新人への面目を保つという強い目的のもとさらに1時間釣行を続けた。 お察しの通り。 結局、コソ練をする前に活ウナギの捕獲失敗・・・赤水門を後にした... その後、休日も意味なく公園へ出かける日を過ごし、新人同居人がウナギ事案を忘れる日を待っている。 でもさ、ちょっと嘘ついただけじゃんか・・・・ なぜこうなる?(T . T) 沈黙は金である。 No Tsuri-ba No Life手は震え、動悸も止まらない釣りWebフリーマガジン