どうもこんにちは!ツリーバ編集長のヒビヤです。

さて、檜枝岐釣行2日目は新たな釣りを求めて山向こうの只見川本流で大イワナを釣る予定である。

前々日は深夜の子どもによる連続キックで寝不足、前日は仮眠しかとらず寝不足、そのためか20時半にテントに潜り込み5時までぐっすりと眠る事ができた。

テントから抜け出してみると、ものすごく寒い。とてもじゃないが薄着ではオートバイで走る事ができないぐらい寒い。座っているだけでも寒いのだ。

少しの間焚き火にあたり淹れたてのコーヒーを飲んで沢登り装備の上から防寒代わりにレインウエアを着込み、オートバイに跨ると5時半頃に出発する。

DSC_0988

道のりは30分程度と近いが、連続した半径の小さいカーブ、広い道が突然すれ違い困難な狭さになったりと気を使うバラエティに富んだ山道である。

幾度となく通った道ではあるが、相変わらず車では走りたくないと感じさせる道だ。

しかし交通量はごく少なくワタシの前後に車両はいなかった。

少しずつ強くなる日の光を浴びながら夏らしく緑に囲まれた山道をライディングするのはとても気持ちがいい。

どこから入渓するかを考えながら走る。と言ってもこの川のことがよくわからないのだから、とりあえず入ってやってみようではないか。

 

途中まで上りだった道が下りに変わるとその言葉通り山を越えた実感が湧いてくる。

しばらく綺麗に舗装された道を走ると左手に小沢平(こぞうだいら)の登山口駐車場が見えてきた。

軽自動車が2台止まっているが、間違いなく釣り人だ。なぜならここ最近の大水で山道が崩れたり、温泉のある山小屋が休止したりと登山者が激減してしまったからだ。尾瀬を目指す登山者であれば、わざわざこちらを選ぶ理由もないのではなかろうか。

だからこその魅力もあるのだが。

駐車場へオートバイを滑り込ませるとヘルメットを脱いでそそくさと準備をし、登山口より山へと入る。

トクサ沢を渡り蛇のように細く曲がりくねった道を下ると正面に藪が見えてくるが、ここが元の登山道で渓へと出る最短ルートだ。先へ進むには現在は巻き道が作られており、そちらを迂回するようになっている。

今回は只見川の基本のキと思いここから渓へと降りる。すると下流に釣り下っていく2人組みが見えた。

装備はやはり本格的な沢装備だ。間違いなくそうでないと危険である。ワタシももちろん沢足袋に沢登り用のスパッツ、雨具やプラティパスはバックパックに詰めCW-Xなどのスポーツウエアで身を固めている。

ワタシは上流を目指し釣りあがっていく。するとほどなく量型イワナがすっと姿を見せたが、また戻ってしまった。2度と出てこないパターンだ。

ほどなくして20センチには程遠い小さなイワナがヒットする。同じような小さなヤマメもよく釣れる。

エサ釣りの先行者がいるのは開始した時から見えているのだが、先行者は速いテンポでどんどん上がっていく。場所にも慣れたベテラン釣り師のようだ。

一箇所で魚が見えなければ2、3投で見切っていくワタシとほぼ同じスピードだ。いやむしろもっと速い気がする。

しばらく後を追う形で遡行し、支流を越えたあたりで先行者の釣り師は片付けをしているようだ。

下ってくるのを待って顔を見たらよくテン場で管理人代理のサトヤンさんと話をしているおじさんであった。まだ7時30分あたりだが、引き上げるとのこと。

お互い小さいのがよく釣れると情報交換をしてワタシはさらに遡行を続ける。

登山道沿いなのでどこかで先を越した釣り人と鉢合うのではないかと思っていたのだが、誰とも会わないところを見ると、渇水で大物の遡上が無いのだろうと思われる。

深い淵を見つけては期待に心拍数が上がるが、釣れるのは小さなヤマメばかり。釣れないよりはいいのだが、もう少し手応えが欲しいところだ。

とは言え、他のどの渓よりもやはり魚影が濃い。いくら小さいと言ってもこれらがまた湖へと戻れば海と勘違いして急激に成長し遡上してくるのだ。その数は半端ではない。

人気の釣り場である理由がよくわかる。

とある淵でようやくジャンプする手応えのある綺麗なヤマメが釣れた。それでも20センチ程度だ。今回はすべてリリースとし、いよいよ渡渉の難しいポイントで納竿とした。

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時間はまだ9時30であるが、これから駐車場まで下山すれば1時間近くはかかる。少し周辺のポイント調べをして11時にテン場へと戻れればいいだろう。

川を40分ほど下り、途中から深いクマザサを藪漕ぎして登山道でさらに下ると駐車場到着はちょうど10時30分。下流の県境にかかった橋の周辺を下調べし、来月の釣行を心に決めてオートバイでテン場へと戻り、昨日は中止とした温泉にそのまま向かった。

温泉に子と浸かりながら来月のことをあれやこれやと考える。

本格的な登山道を歩きつつ釣りが楽しめるポイントはいくつもあるのだが、奥只見エリアは未開の地が多く、とても魅力的だ。

下流の銀山湖(奥只見湖)はかの開高健氏が愛した大イワナの里である。

ワタシはやはり源流の釣りが好きなのであまり行くことはないのだが、この付近一帯が釣りの聖地であることは間違いない。

さらに9月となればシーズン最後、遡上の季節である。混雑が心配されるが来月はなんとか大物イワナを釣り上げたいものである。

午後は妻がオートバイで新潟の方へでかけたので子どもたちと遊びつつ、写真を撮りつつ、早めのビールで体をクールダウンさせる。

一年中こうしていたいぐらい最高だ。

夕暮れ前にはカレーの下煮込みをツーバーナーで済ませ、燠火になった焚き火でさらにじっくりと煮込む。その脇でコッフェルを使ってご飯を炊く。

ほろ酔いの頭で翌日は実川を遡上することに決めたのであった。

続く

それでは今日もNo Tsuri-ba! No Life!

https://tsuri-ba.net/wp-content/uploads/2016/08/IMGP0001.jpghttps://tsuri-ba.net/wp-content/uploads/2016/08/IMGP0001-150x150.jpgtsuri-ba渓流・源流の釣りイワナ,ヤマメ,只見川,檜枝岐,源流どうもこんにちは!ツリーバ編集長のヒビヤです。 さて、檜枝岐釣行2日目は新たな釣りを求めて山向こうの只見川本流で大イワナを釣る予定である。 前々日は深夜の子どもによる連続キックで寝不足、前日は仮眠しかとらず寝不足、そのためか20時半にテントに潜り込み5時までぐっすりと眠る事ができた。 テントから抜け出してみると、ものすごく寒い。とてもじゃないが薄着ではオートバイで走る事ができないぐらい寒い。座っているだけでも寒いのだ。 少しの間焚き火にあたり淹れたてのコーヒーを飲んで沢登り装備の上から防寒代わりにレインウエアを着込み、オートバイに跨ると5時半頃に出発する。 道のりは30分程度と近いが、連続した半径の小さいカーブ、広い道が突然すれ違い困難な狭さになったりと気を使うバラエティに富んだ山道である。 幾度となく通った道ではあるが、相変わらず車では走りたくないと感じさせる道だ。 しかし交通量はごく少なくワタシの前後に車両はいなかった。 少しずつ強くなる日の光を浴びながら夏らしく緑に囲まれた山道をライディングするのはとても気持ちがいい。 どこから入渓するかを考えながら走る。と言ってもこの川のことがよくわからないのだから、とりあえず入ってやってみようではないか。   途中まで上りだった道が下りに変わるとその言葉通り山を越えた実感が湧いてくる。 しばらく綺麗に舗装された道を走ると左手に小沢平(こぞうだいら)の登山口駐車場が見えてきた。 軽自動車が2台止まっているが、間違いなく釣り人だ。なぜならここ最近の大水で山道が崩れたり、温泉のある山小屋が休止したりと登山者が激減してしまったからだ。尾瀬を目指す登山者であれば、わざわざこちらを選ぶ理由もないのではなかろうか。 だからこその魅力もあるのだが。 駐車場へオートバイを滑り込ませるとヘルメットを脱いでそそくさと準備をし、登山口より山へと入る。 トクサ沢を渡り蛇のように細く曲がりくねった道を下ると正面に藪が見えてくるが、ここが元の登山道で渓へと出る最短ルートだ。先へ進むには現在は巻き道が作られており、そちらを迂回するようになっている。 今回は只見川の基本のキと思いここから渓へと降りる。すると下流に釣り下っていく2人組みが見えた。 装備はやはり本格的な沢装備だ。間違いなくそうでないと危険である。ワタシももちろん沢足袋に沢登り用のスパッツ、雨具やプラティパスはバックパックに詰めCW-Xなどのスポーツウエアで身を固めている。 ワタシは上流を目指し釣りあがっていく。するとほどなく量型イワナがすっと姿を見せたが、また戻ってしまった。2度と出てこないパターンだ。 ほどなくして20センチには程遠い小さなイワナがヒットする。同じような小さなヤマメもよく釣れる。 エサ釣りの先行者がいるのは開始した時から見えているのだが、先行者は速いテンポでどんどん上がっていく。場所にも慣れたベテラン釣り師のようだ。 一箇所で魚が見えなければ2、3投で見切っていくワタシとほぼ同じスピードだ。いやむしろもっと速い気がする。 しばらく後を追う形で遡行し、支流を越えたあたりで先行者の釣り師は片付けをしているようだ。 下ってくるのを待って顔を見たらよくテン場で管理人代理のサトヤンさんと話をしているおじさんであった。まだ7時30分あたりだが、引き上げるとのこと。 お互い小さいのがよく釣れると情報交換をしてワタシはさらに遡行を続ける。 登山道沿いなのでどこかで先を越した釣り人と鉢合うのではないかと思っていたのだが、誰とも会わないところを見ると、渇水で大物の遡上が無いのだろうと思われる。 深い淵を見つけては期待に心拍数が上がるが、釣れるのは小さなヤマメばかり。釣れないよりはいいのだが、もう少し手応えが欲しいところだ。 とは言え、他のどの渓よりもやはり魚影が濃い。いくら小さいと言ってもこれらがまた湖へと戻れば海と勘違いして急激に成長し遡上してくるのだ。その数は半端ではない。 人気の釣り場である理由がよくわかる。 とある淵でようやくジャンプする手応えのある綺麗なヤマメが釣れた。それでも20センチ程度だ。今回はすべてリリースとし、いよいよ渡渉の難しいポイントで納竿とした。 時間はまだ9時30であるが、これから駐車場まで下山すれば1時間近くはかかる。少し周辺のポイント調べをして11時にテン場へと戻れればいいだろう。 川を40分ほど下り、途中から深いクマザサを藪漕ぎして登山道でさらに下ると駐車場到着はちょうど10時30分。下流の県境にかかった橋の周辺を下調べし、来月の釣行を心に決めてオートバイでテン場へと戻り、昨日は中止とした温泉にそのまま向かった。 温泉に子と浸かりながら来月のことをあれやこれやと考える。 本格的な登山道を歩きつつ釣りが楽しめるポイントはいくつもあるのだが、奥只見エリアは未開の地が多く、とても魅力的だ。 下流の銀山湖(奥只見湖)はかの開高健氏が愛した大イワナの里である。 ワタシはやはり源流の釣りが好きなのであまり行くことはないのだが、この付近一帯が釣りの聖地であることは間違いない。 さらに9月となればシーズン最後、遡上の季節である。混雑が心配されるが来月はなんとか大物イワナを釣り上げたいものである。 午後は妻がオートバイで新潟の方へでかけたので子どもたちと遊びつつ、写真を撮りつつ、早めのビールで体をクールダウンさせる。 一年中こうしていたいぐらい最高だ。 夕暮れ前にはカレーの下煮込みをツーバーナーで済ませ、燠火になった焚き火でさらにじっくりと煮込む。その脇でコッフェルを使ってご飯を炊く。 ほろ酔いの頭で翌日は実川を遡上することに決めたのであった。 続く それでは今日もNo Tsuri-ba! No Life!手は震え、動悸も止まらない釣りWebフリーマガジン